第63話 突っ込め!
「シイイイイイイィ!」
背後から妙な音を立てながらメガバーミンが追ってくる。俺は全力で逃げているがこのままでは追いつかれてしまうだろう。
「ちょっと!追いつかれるわよ!」
「分かってるよ!」
分かっちゃいるけど足がもう限界です。
「グワアエエエオオオ!」
振り返るとメガバーミンの口!
「空気砲!」
指をメガバーミンの口に向けて心の中の引き金を引いた。
ズバアアアアン!
メガバーミンの口に空気砲が命中!
メガバーミンは後ろに大きく反り返った。
「もう一発だ!」
「バカ!ラピスがペシャンコになるわ!」
俺を先頭にメガバーミンが追う。ラピスはメガバーミンのすぐ後ろでさらに下にいる竜族の戦士たちを食い止めてくれている。メガバーミンがひっくり返るとラピスまで被害が出てしまう。
「私のことは気にするな!先を行け!」
ラピスの声が聞こえた。でもさすがにメガバーミンの下敷きにするわけにいかない。
「心配するな!もうすぐだ!」
ラピスから珍しく見通しのあることを言われた。
「分かった!頑張る!」
あと少しと聞いて俄然元気が出てきた。
「シイイイイシャアア!」
メガバーミンの粘液!
「小竜巻!」
思わず小竜巻で粘液を吹っ飛ばしてしまう。ロウソクが消えて真っ暗になった。
「しまった!もうわけわかんねえ!」
こうなったら明るさを気にしなくていいだろう!
「旋風脚!」
俺は階段を旋風脚で登って行った。
「ち、チョー楽じゃん!」
真っ暗だけど快適過ぎてたまらない。
「ちょっと!あんた!後の人のこと何にも考えてないでしょ!」
キャサリンが叫ぶ。
「お前が言うな!」
キャサリンに周りの人のことを考えろとか言われると不思議な気持ちになる。本日のお前言うなスレはこちらのようだ。
「このまま突っ走るぞ!」
後ろからメガバーミンの呻き声や粘液の飛沫が飛んでくる。もう振り返っても何も分からない。俺は暗闇の中を旋風脚でぶっ飛びながら先を目指す。
「あっ!あそこ!」
先の方で扉から光が漏れているのが見えた。
「このまま突っ込むぞ!しっかり掴まってろよ!」




