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第61話 扉!

 牢獄の廊下を周りの様子を伺いながら歩く。意外にも見張りは少ない。


「見張りは少ないんだな」


「そもそもここに入れられる者などほとんどいない。ここは政治犯など特殊な者の専用の監獄だ」


 俺は政治犯扱いらしい。政治が何かもよく分かってない奴をそんな待遇にする意味がよく分からないが。


「ところでラピス、よく生きてたな。あの後どうしてたんだ?」


 俺の問いかけにもラピスは周りを警戒するのに忙しい。


「あの後は捕まってここに入れられていた」


 一言、面倒くさそうに言った。よく見ると体中にキズがある。元からあったのか牢獄に入れられて拷問されてついたのか分からないけど。


 それにしてもこの監獄は迷路のようだ。さっきから同じようなところをぐるぐる回っているような気がする。また奴らを巻くためにラピスが考えてくれてるんだろう。


「よし。ついたぞ」


 到着したのは扉の前だ。


「これってどこに繋がってるんだ?」


「闘技場の王の間の後ろだ」


 なんてとこに繋がってるんだ。


「おい、そんなとこに繋がってても脱出できないじゃないか」


「何を言っている。貴様が王になるのだから玉座に近いところに繋がっている階段を探したぞ」


 ラピスは何がおかしいのかといった感じだ。


「いや、でもみんな俺のことなんか眼中にないだろ!俺がいくら言ったって魔王になれるわけが……」


 キャサリンの耳が急にピンッと立った。


「来たわ!急ぐわよ!」


 ラピスは階段に通じる扉を開けた。




 扉を開けると果てしなく長い階段があった。十段ごとくらいにロウソクが灯してあって中は一応明るい。


「急ぐぞ。追って来られるとまずい」


 ラピスは走り出した。俺も後を追う。ちなみにキャサリンはラピスの頭の上だ。


 ガチャリと下の方で扉の開く音がした。


「いたぞ!」


 振り返ると下からワラワラと竜族の戦士たちが追いかけてくる。


「貴様が前を行け!」


 俺とラピスは入れ替わってさらに階段を登る。


「はあ、はあ、あとどのくらい?」


 さっきからずっと登っているが先が全く見えない。


「知らん!死にたくなければ走れ!」


 ラピスに体育会系なことを言われたが俺の足は限界に近づいている。


 近づいてくる足音が大きくなっているような気がする。




 体力が限界に近づく中で俺は必死にもがいて上を目指していた。

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