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第59話 お前たち!

「お、おい!あれ!」


 急に闘技場の外に巨大な鳥籠が出現したと思ったら中に人がいっぱい入っている。鳥籠は何百、いや何千もの竜族が空中へ引っ張っている。それがだんだんユラユラと揺れ出して……。


「ひっくり返った!」


 ワラワラと人がゴミのように落ちていく。


「早く!」


 キャサリンの声が飛ぶ!


「えーっと、えー、えー、大竜巻!」


 自分が想像できる範囲で一番大きな竜巻を鳥籠の下に出した。鳥籠からこぼれ落ちても地面に直撃しなければ死なずに済むだろう。


「早くここから出た方が良さそうだな」


「そうは行くか!」


 俺が振り返ると係員たちが集まってこちらを見ている。そして彼らはニヤリと笑うと自分の頭を引っ張った。


「竜族!お前ら、なんで!」


 頭からスポンとマスクを取ると現れたのは森で出会った竜族だった。


「フッ、ここが貴様の墓場になるのだ!」


 先頭にいるベリルがそう言うと、竜族たちは腰につけた剣を一斉に抜いた。


「捕まってたまるか!爆風旋!」


 俺は地面に向けて強力な風を送って空中に飛んだ。


「二度も同じ手を食うか!行け!」


 ベリルの合図で上空で待機していた奴らが俺を確保しに来る。


「旋風脚!」


 俺が旋風脚を出すと同時に上空待機組は網を俺に向けて投げた。


「あっ!くそっ!」


 俺は網に絡まったまま落下した。


「ばか!下手くそ!何やってんのよ!」


 網の目が細かくてキャサリンも抜け出せずにもがいている。


「フフッ、無様だな。どうだ、捕まった気分は?」


 俺の周りを竜族たちが取り囲む。みな表情はピリッとしているがやっと捕まえたぞ、という達成感に溢れて頬が上気している。


「俺を捕まえてどうするつもりだ!」


「貴様にはアズラとメノウが世話になったからな。じっくりとお返ししてやろう」


 ベリルはニヤニヤしながら言った。こいつちょっと性格悪いのか何なのか分からんが腹立つ言い方しやがる。


「その前になんでお前らがレースの係員やってんだ!選手を勝手に捕まえてやがって!こんなこと許されると思ってんのか!」


「フッ、何も分かっていないようだな。俺たちはダイヤー王の命によりお前を確保している」


「はあ?ダイヤー王がなんで竜族にこんなことやれって言うんだよ!」


「ダイヤー王は我が主人。主人が我々下僕に命令して何がおかしい」


「嘘つけよ!適当なこと言ってんなよ!ダイヤー王は俺たち魔族の王だぞ!我が主人ってどういうことだよ!」


「それはな……ムッ」


 部下に諭されてベリルは急に押し黙った。


「どうしたんだよ」


「危うく重要なことまで喋るところだった。貴様許さんぞ!」


 勝手に喋って勝手に怒っている。バカなのかもしれない。


「さあ、無駄話は終わりだ!とっとと連行するぞ!」


 俺は網に絡まったまま屈強な竜族の男たちに簀巻きにされて何人かで担がれてしまった。


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