第49話 実況中継!
「ねえ、その格好は茂造をイメージしてるわけ?」
キャサリンは笑いを必死でこらえながら聞いてきた。
「誰だよそれ」
俺は憮然として言った。
受付を終えると選手控室に案内された。選手控室で係員にこれに着替えろと言って渡されたのは緑色のジャージだった。ズボンのほうは白い線が3本入っている。学校のジャージでももう少し気の利いたデザインをしている。これを着た瞬間にキャサリンの笑いが止まらなくなった。
「茂造知らないの?あんた本当に人生損してるわ」
キャサリンの言うことはだいたいよく分からないが、これは本当によく分からない。だいたい茂造って誰なんだよ!その説明をしろよ!
「では、選手諸君、そろそろ入場だ!」
係員が我々を呼びに来た。そろそろ始まるのか。
「さあ、全国200万人の魔王指名レースファンの皆様こんにちは。私実況のアキラジャストミートです。そして本日の解説はもちろんこの人!魔王指名レース開始当初から解説をお願いしておりますミスター性欲、リッキーチョッチュさんです。リッキーさん、よろしくお願いします」
「ハイ、よろしう」
「さて、2年毎の開催となるこの魔王指名レースも早5回目となりました」
「ソウネ。もう10年になるね」
「今年は選手登録数がついに1万人を超えて来ました。今年の見どころはズバリどのあたりでしょうか」
「ンー、ソウネ、今年はついに現魔王が引退を表明したよね。これ、大きいね」
「そうですね、第6回大会でチャンピオンになり以降魔王として君臨し続けてきた現ダイヤー王がついに引退表明されました。これを機に次期魔王を継ぐ者は誰になるのか、期待されるところです。さあ、リッキーさん、今年の注目選手は誰でしょう?」
「ンー、ソウネ、まず、ヒースが挙がるよね」
「前回大会では魔王と壮絶なデッドヒートを繰り広げ、惜しくも敗退したヒース選手!前回大会では12時間で21人という驚異的な記録を打ち立てました。前回は惜しくも破れたヒース選手ですが、非公式ながら行われているレース予想では今年はぶっちぎりの1番人気となっています!さあ、他に有力選手はいますでしょうか」
「ンー、ソウネ、トルマーやオパルも見逃せないね」
「そうですね、トルマー選手は第6回大会から出場して全ての大会でベストテン入りを果たしているベテランです。第7回大会ではダイヤー王との激しいデットヒットーを繰り広げ、最後口から血を吐いて卒倒した姿は衝撃的でした。また、オパル選手は今年初出場ですが、一晩でなんと30人という驚異的な記録があります。今日の体調次第では上位に食い込んでくることでしょう。ところでこれまで紹介させていただいた選手は皆、新興貴族の出身者ばかりです。旧貴族からの出場は今年もないようです。寂しい限りですね。リッキーさん、このあたりどう見ますか」
「ソウネ、寂しい限りだね。時代だ、時代。性欲の」
「さて、まもなくレースが開始されますが、ルールの確認をしておきましょう。ルールは簡単。これから12時間で一番多くの女性に精の受け渡しをした者が優勝となります。ただし、細かなルールはこのあと登場される現魔王、ダイヤー王から発表されることとなります。さあ、今年はどのようなルールが設定されるのでしょうか。注目されます」




