第37話 意気投合!
何だかんだで湿地帯を抜けた。
「思ったより早かったな」
ラピスはのんびりした調子で言った。こいつ俺が飛べなきゃどうするつもりだったんだろう。
「ここからあとどのくらいなんだ?」
「あと一時間くらいだろう」
あれ?さっき聞いたとき三分の一くらいって言ってたような気がするけど。さっきの湿地帯が広かったのか?
「ここからが正念場だ。モンスターが手強くなる」
「どんな奴がいるんだ」
「色々いる。気をつけろ」
妖怪気をつけろおじさんが始まった。
「いや、どんな奴がいてどういうことに気をつけたらいいのか聞きたいんだけど」
「さあ、行くぞ」
ラピスは歩き始めた。
「何ごちゃごちゃ言ってんのよ。早く行きましょ」
俺が変なのか?こいつらが変なのか?もう、分からなくなってきた。
再び木の生い茂る森の中に入る。
ここは腰の高さくらいまで草が茂っていて、草をかき分けながら道なき道を歩く。ラピスはマイペースで全く迷いがない。なぜこの道無き道を見つけることができるんだ?まあ、聞いてもよく分からないことを言われるだけだろう。俺は黙ってついて行くことにした。
急にラピスの足が止まる。
「いたぞ」
声を殺してラピスが言う。
「何がいるんだ?」
「マッドトレントだ。二体いやがるな」
真っ暗闇を見つめてラピスの声が尖っている。俺の目には全く分からない。
「うーん、全然分からないわね。どいつがマッドトレントなの」
「見た目では分からない。音がするだろう。チキチキという葉を擦り合わせる音だ」
「ああ、あの音、あいつが出してたの。変だなと思ったのよ。で、どうやって倒すの」
「奴は絶対にギリギリまで仕掛けて来ない。我々が通り過ぎるギリギリで攻撃してくるはずだから、そこを返り討ちにする」
「分かったわ」
「逃すとずっとあとをつけて来る。必ず一撃で倒せ。俺は向かって右をやる。お前は左だ」
「了解」
勝手に二人で会話してる。俺は置いてけぼりなんですけど。
「じゃあ分かった?上手くやんなさいよ」
「何したらいいんだよ!」
真っ暗闇でキャサリンはため息をついた。
「私が言う通りにしてなさい。奴隷らしく」
いつものやりとりをして俺たちはマッドトレントのほうへ向かう。
「小竜巻を用意して」
俺はいつでも出せるようにイメージを固めた。そして道なき道をガサガサしながら進む。
「そろそろよ」
キャサリンが耳元で囁く。
「いち、にの、さんで行くわよ」
俺は指で丸を作る。
「いち」
「にの」
「さん!」
俺が左を向くや否や切株が襲い掛かってくる。
「小竜巻!」
俺は小竜巻でマッドトレントを吹き飛ばす。
ラピスの方は剣でもう一体を真っ二つにしていた。
「よし。先を急ぐぞ」
それからと言うものモンスターが出てくると二人で作戦を立てて俺はそれに従うだけだった。
こいつらいつのまに意気投合しやがったんだ。




