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第35話 さあ行くぞ!

 洞窟から出ると外は本当に真っ暗になっていた。こんなに暗くてどこに向かっているのか分かるのだろうか。


「こっちだ。ついてこい」


 ラピスに先導されるままに俺たちは歩き出した。


「極力声は出すな。モンスターに気づかれやすくなる」


 俺は分かったという印に右手を上げて答えた。


 ラピスの足が急に止まった。俺たちは木の陰に隠れた。


「早速お出迎えだ。三匹いる」


 目を凝らして見てもどこに何がいるのかさっぱり分からない。


「キャサリン、分かるか?」


「え?あんたあれ見えないの?」


 夜行性動物と一緒にしないで欲しい。


「何がいるんだ?」


「なんか狼みたいなやつ。あれがアサルトウルフって言うの?ヨダレ垂らしてこっち見てるわ。気持ち悪い。さっさとやっつけなさいよ」


「無茶言うな。俺は姿すら見えないんだぞ」


「あんたとよく似てるわ。ヨダレ垂らしてこっち見てるとこ。あー、寒気がする」


「おい、何喋っている。片付けるぞ、援護しろ」


 そう言うが早いかラピスは剣を抜いて駆け出した。俺も続こうとするとキャサリンに髪の毛を引っ張られる。


「あんたはここにいなさいよ」


「なんでだよ。援護できないじゃねえか」


「あんたが行っても足手まといになるだけよ。私が言ってやるからその通りしてなさい」


 と言っている間にアサルトウルフの鳴き声と剣を振るう音だけが聞こえてきた。


「小竜巻用意して」


 言われたとおりにいつでも出せるようにイメージしておく。


 闇の中でなおもアサルトウルフの唸り声や吠える声や攻撃を食らってキャンキャン鳴く声がする。


「一匹こっちに来てる!見える?」


 目を凝らす。何となく一匹見える。


「なんとか見える!」


 俺は狙いすまして小竜巻を放った。アサルトウルフはあっと言う前に飲み込まれて地面に叩きつけられた。


「ふう、危なかった」


 剣を収めたラピスが戻ってきた。


「さあ、行くぞ」


 歩いているとアサルトウルフの死骸が転がっている。まるで粘土細工のように無造作に真っ二つになっている。グロい。




 ラピスが敵に気付いて走り出し、俺とキャサリンは遠くから小竜巻で倒せそうな奴だけやっつける。こんな感じでどんどん前に進んでいる。


「なんか余裕そうだな」


 俺はキャサリンにそっと囁いた。


「あんたは能天気ね」


 キャサリンはため息をついた。


「何がだよ」


「さっきからあらゆるところから変な気配がしてるわ」


 そうなの?全然分かりませんが。


「夜の森は森全体がモンスターだ。気を抜くと足元から食われるぞ」


 なんかよく分からない脅しを受けて俺たちは森を進む。




 二時間ほど歩いただろうか。


「少し休憩しよう」


 ラピスが立ち止まって洞窟を指差した。


「あそこなら比較的安全だ」


 俺たちはラピスの後に続いて洞窟の中に入った。


「あとどのくらいなんだ?」


「まだ三分の一くらいだ」


 二時間で三分の一なら六時間くらいかかりそうだな。今日中に帰れるんだろうか。そう言えば爺には何も言わずに来てしまった。もしかしたら今頃心配してるかもしれない。


「早く帰らないとな」


 キャサリンの作戦はいいんだけどあんまり後先考えてないんだよな。俺は爺が発狂しそうな声で俺のことを探し回っているところを想像してゾッとした。




 まあ、その前に無事帰れるのか分かんないんだけどな。


 

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