第3話 見習い神様で転生かよ!
「気がついたの?」
ん?ここはどこだ?何も見えない。目の前が真っ白だ。
「ここはの、あの世の入り口なの」
え?あの世?それじゃ俺死んだの?
「ああ、残念なの」
そうか……。まあ、でも好きな子のリコーダー咥えて死ねたら本望だよな。
「えっ?」
えっ、て何?
「……」
……。
なんだよ。ていうかお前誰だよ。
「ああ、ウチか。ウチは神様なの」
なんか喋り方とか声が幼女みたいだな。それで神様がわざわざ俺に何の用だよ。
「お主、死んだの」
さっき聞いたよ。
「ウチ神様なの」
それも聞いたよ。
「なんかないの?」
なんかってなんだよ。
「ほら、その生き返らせてくれとか、別の世界に生まれ変わりたいとか」
別にいらないよ。
「ちょっ、お主、何故なの!」
何故って、だって今生き返っても変態扱いされるだけじゃん。俺好きな子のリコーダー咥えたまま死んだんだろ。
「いや、それでも生きられるほうがいいの!」
いいよ、もう。あと別の世界に生まれ変わるとかも面倒くさいし要らないわ。
「はっはっはーん。お主あれなの。何か凄い能力をもらえば転生してもいいとか言う奴なの。最近多いの、そういう奴が」
いや、そんな凄い能力もいらないって。もうほっといてくれよ。
「ダメ、ダメ、ダメ!そんなんじゃ。もっとポジティブに、頑張れ頑張れ、やればできる!」
松岡修造かよ……。
「まつおか?誰じゃ。そんな名前の神がいたかの?」
いねえよ!ていうかあの人ある意味神だけど。
「もう!どうしたらいいの!」
何がだよ?ていうか死んでる奴なんかいっぱいいるだろ?俺以外の奴に言えよ。
「死んだらみんな何かに生まれ変わるの!」
ああ、そういうルールなのね。それ早く言えよ。
「うーん、そういうわけでもないの……」
違うのかよ!どっちだよ!
「もうお願いなの!転生して欲しいの!」
もう分かったよ。転生すればいいんだろ。
「ありがとうなの」
一つ条件がある。
「なんなの?」
お前が本当に神様かどうか試したい。
「ウチは神様なの。何でもできるの」
じゃあ、なんかやって見せてくれよ。
「何したらいいの?」
そうだな。俺の好きな子分かるか?
「えーと……どの女子じゃ?」
お前本当に神様かよ?エロいのが嫌いだとか言ってる奴いるだろ。
「ああ、この女子か。関原環とかいう」
おう、そいつの性欲をマックスにしてくれよ。
「どのくらいスケベにすればいいんじゃ?」
だからマックスだよ。
「お主の生まれ変わりポイントは生前がアレじゃからめちゃくちゃあるんじゃが」
生前がアレって何だよ。もう、なんでもいいから全部使ってエロくしてくれよ。
「わかったの。えー、ほい!しといたぞい」
え、まじで。ちょっと見たい!
「それはダメなの!お主は死んでるの!」
じゃあ確認できねえじゃねえか。
「知らないの!そんなこと!」
むう。ちょっと失敗したな。じゃあ、転生先で俺に何か凄い能力付けてくれよ。それでいいや。
「さっきのでポイント全部使ってしもうたからできんわい!」
えええ!なんだよ!ちゃんと説明しろよ!お前ほんとに神様かよ!
「本当なの!本当にほんとの神様なの!今日からだけど……」
なんだよ、見習いかよ……。
「……ごめんなさいなの……。やっぱり、もう転生してくれないの?」
……分かったよ。転生してやるよ。だからそんな捨てられた子犬みたいな声出すなよ。
「ありがとうなの!嬉しいの!じゃあお詫びにせめてお主の特技が活かせる世界に転生させてあげるの!ええっと、お主の特技はと……。あれー。特技、特技……」
なんだよ。特技ないとか言うなよ。
「いや、特技にノータッチ発射としか書いてないの。これはどういうことなの?」
あれって特技なのかよ。しかもそれだけって。まあ、いいや、じゃあ、性欲が強い奴が無双できるところに転生させてよ。
「そんなんでいいの?えーっと、あったの!」
えっ。そんなとこマジであるの?ていうか、もう転生するの?
「じゃあのー!今度こそ頑張るの!」
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