第26話 こいつはホント腹が立つ!
「それだけ?」
翌日、魔法の練習の前に、俺はキャサリンは昨日のことを報告した。キャサリンは腰に手を当てたいつものポーズで一言そう言った。
「それだけってどういうことだよ」
俺が喋ったのは、爺に言って女を用意してもらったこと、爺にも何だか雰囲気が違うと言われたこと、エミリーという女の子が来たこと、そして精の受け渡しをするとベッドから落ちて、顔を真っ赤にして去ってしまったこと。以上だ。
「あんた、それ本当にちゃんと受け渡しできてんの?」
「できてるよ、多分」
「多分でしょ。なんでそこちゃんと確認しとかないの?もしかしたらやり方間違ってるかもしれないじゃない!」
それはそうだ。しかし今更どうやって確認すればいいんだ?
「大丈夫だろ。気にしすぎだよ」
キャサリンはフーッとため息をついた。
「あんたって本当に雑ね。そんな生き方してたらさぞかし楽しいでしょうね」
「うるせえよ」
「もういいわ。で、何回くらいできそうなの?」
「さあ……どうだろうな……」
一回やったあと全然疲れはない。100回くらいやれと言われたらやれそうだけど、一回やったくらいでは本当にできるのかよく分からない。
「もうなんかコンニャクと話ししてるみたいだわ」
キャサリンは訳の分からないことを言った。
魔法の練習の方はまあまあ順調だ。二秒とはいかないが、数秒くらいで竜巻は出せるようになった。
「ふん、まあ、いいでしょ。ここまでやれたら。ヤバくなったら敵をぶっ飛ばせばいいのよ」
「あとは他の種類の魔法だな」
「はあ?何言ってんの?そんなの練習するだけ無駄よ」
こいつの言い方はいつもながら何故こんなにカドが立つのでしょうか。
「無駄ってことないだろ。できた方がいいだろ」
「あんた、唯一使えた風属性もパッと出せないのに他のやつ実戦で使えるわけないじゃない」
「じゃあ、どうすりゃいいんだよ」
「今の風属性のやつのバリエーションを増やすのよ。竜巻だけじゃなくて風を使って敵をやっつける方法を考えるのよ」
なるほど……。確かにその方がいいかもしれない。
「さあ、そうと分かれば早速練習よ。もう時間ないんだから。あと二週間しかないのよ」
ホントこいつの言うことはいつも腹が立つけど……だいたい正しい。




