第23話 申し込みするぞ!
あれからさらに一週間が経った。
魔法のほうは何とか10秒くらいで出せるようになった。もっとも目標とする二秒には到達してないのでずっと晩飯は抜きだ。正直きついです。
しかしもっときついのは下半身の問題だ。何せ中一で始めてシコったときから、一日足りとも欠かさずやってきた。それが一週間も我慢している。もう爆発寸前だ。
「ところでさ、あんた申し込みって済んだの?」
ペーシャが昼飯の用意ができたと呼びに来てくれたところで、不意にキャサリンに聞かれた。
「え?何にもしてないぜ」
「何考えてんのよ!早くしなさいよ!間に合わなくなって知らないわよ!」
こうやってお前が俺を半分監禁してるから何にもできないんだよ!
「えーっと、職業は……無職になるのか?」
俺は昼飯を食いながら募集要項と申込用紙を睨んでいた。
「あ、あの……」
「ん?なんだよ、ペーシャ」
「いや、その、食事されながら読まれると申込用紙が汚れてしまわないかなと思いまして……」
それもそうだな。
「やっぱりメシを食う時は集中しないとな」
「差し出がましいことを申し上げてすいません」
「いや、いいんだ、ありがとう」
ペーシャは頬を赤らめた。最近なんとなくペーシャが可愛く見えてきた。
「さあ、続きやるわよ」
いつの間にかキャサリンが一人で部屋に入ってきた。
「今メシ食ってんだよ」
「あんた本当にご飯食べるの遅いわね。チャッチャと食べなさいよ」
「わかったよ。ちょっと待ってろ。あとな、申込用紙書いたら提出しにいかないといけないから今日の午後は付き合えないぜ」
「そんなの誰かに頼んで出して貰えばいいじゃない」
「募集要項に本人が出しに来いって書いてある」
「ふん、しょうがないわね。あと私があんたに付き合ってやってるんだから、勘違いしないでよね」
もうどっちでもいいです。
「さあ、書けたぞ」
俺は自分で書いた申込用紙をもう一度眺めてみた。
「なんかパッとしないわね」
キャサリンが後ろから覗き込んで言った。
名前・ダヴィド=ゴルロフ
職業・無職
年齢・16歳
剣術・未経験
特技・魔法(風属性)
意気込み・頑張ります。よろしくお願いします。
「なんかさ、経歴がショボいんだから、意気込みのとこくらいもっと色々書いたら」
「なんて書けばいいんだよ」
「ちょっと私に貸してみなさい」
キャサリンは俺からペンを奪って意気込みの欄を書き直し始めた。
「よし、これでいいわ」
「えーっと、絶対魔王になってやるから媚び売るなら今のうちにって。おい!なんだよこれ!」
「何よ!これくらいインパクトなくてどうするのよ!」
いつからこのレースはインパクト勝負になったのでしょうか。
「さあ、宮殿まで行きましょ。初めてね、街まで行くの」
もうすっかり付いてくる気でいるようです。




