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第16話 家族会議!

「おかえりなさい」


「おう、挨拶ができるようになったのか。えらいぞ」


 いきなり父親に皮肉を言われた。


 俺が一階の客間に行くと他の家族は勢揃いしていた。一番奥の正面に父親グレゴリーと母親アリーナが座り、右側の奥に兄貴のレオン、一つ空けて弟のメルフ、そしてリディアが一番手前に座っている。左側には爺ことセドイフが座っている。メイドの五人は後ろで立っている。俺はレオンとメルフの間に座った。


「で、なんだよ?みんな集めて」


 メルフが面倒くさそうに爺に聞いた。


「皆さまにお集まりいただいたのは他でもありません。ダヴィド様のことでございます」


「兄貴がどうかしたのかよ」


 メルフはとにかく早く終わって欲しそうだ。


「まあまあ、爺の話を聞こうではないか。爺、続けてくれ」


 父グレゴリーはそう言って長い口髭を撫でた。爺は咳払いをして話を続けた。


「はい、二週間ほど前、ダヴィド様が突然倒れられたことは皆ご承知のことと存じます。そして、高熱を発して三日三晩生死の境を彷徨われた後、なんとか一命を取り留められました。その後、ダヴィド様の体からこれが出てきました」


 そう言って爺はポケットから手のひらサイズのクリスタルを取り出した。


「こ、これがダヴィドの体の中から出てきたのか?」


 グレゴリーは絶句している。


「こんな大きなクリスタルを何故飲み込めたんだ」


「はっきりしたことは分かりません。ただ、この大きさのものを一息で飲み込むことは難しいでしょう。あまりに大きいので普通ならすぐに吐き出してしまうからです」


「じゃあ、どうやったらこんな大きいのが兄貴の体から出てくるんだよ」


「少しずつ体の中に投与されたとしか思えません。それが段々と結晶化して、ついに致死量近くまで大きくなったと見るべきではないかと」


 客間はしーんと静まり返っている。


「続けます。そしてその一週間後、今度はダヴィド様の部屋にグランドオークとおぼしきモンスターが乱入しました」


「兄貴何したんだよ」


 メルフは笑いながら言った。


「うるさい。黙って聞いてろ」


 俺はメルフの頭を叩いた。


「おぼしきっていうのはどういうことだ」


 グレゴリーが聞いた。


「はい、その時私もメイド達も外出しておりまして現場を見ておりません。ご覧になったのはダヴィド様とリディア様のみでございます」


「なるほど。それは……本当にグランドオークだったのか?」


 グレゴリーはリディアのほうを見ながら言った。


「本当にグランドオークよ!だって天井くらいまでの大きさのオークなんて聞いたことないわ!」


 リディアが声を張り上げた。


「分かった分かった。で、どうやってグランドオークをやっつけたんだ?」


「お兄様が魔法を出してやっつけたのよ」


 フッとレオンが鼻で笑った。


「リディア、どんな魔法だったんだ?」


 メルフが聞いた。


「なんか竜巻みたいな風が吹いてグランドオークを吹っ飛ばしたのよ」


「馬鹿馬鹿しい」


 レオンが頭を掻きながら言った。


「本当よ!本当にお兄様の手から出たのよ!私見たもん!」


「ダヴィド、どうやって出したんだよ、それ」


 レオンはこちらも見ずに言った。


「グランドオークをぶっ飛んで行くのをイメージしてたら出来たんだよ」


「そんなので出るわけねえだろ。まあ、いいや。それで話は終わりか、爺」


 レオンは面倒くさそうに言った。


「失礼致しました。このようにダヴィド様はこの二週間のうちに二度も命の危険に晒されております」


 爺は咳払いをした。


「問題は誰がどのような目的でこのようなことをしたのか、ということでございます。この一週間、私は色々と調べて参りました。そして……」


 爺はまた黙った。


「で、分かったのかよ、犯人」


 俺が聞いた。


「はい。犯人は今この部屋の中におります」

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