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第11話 俺にどうしろって言うんだ!

 関原とおぼしきリスが俺の前で仁王立ちしている。


「あんた!私をエロくしてくれって神様に頼んだでしょ!」


 な、なんでこいつ知ってんの?こいつもひょっとして死んだのか?


「し、知らねえよ」


「とぼけないで!ちゃんと聞いたんだから、私!あんた本当に最低ね!人のリコーダーは取るし、勝手にエロくするし!」


「リコーダーは違う!あれはきっと担任がお前のを間違えて俺の連絡袋に入れたんだ!」


 フフン、と関原リスは鼻を鳴らした。


「やっぱりあんた、阿根川ね」


 し、しまった。こいつカマかけやがったのか。


「性欲のほうは否定しないってことは、あんたが神様に頼んだのね」


 あっさりと詰んでしまった。


「あ、ああ。俺が……言ったよ……い、痛え!」


関原リスは俺の体をよじ登り、鼻を齧ってきた。血は出てないが俺の鼻にくっきりと歯型がついている。


「最初に言うことあるでしょ。あとお前はやめて」


 関原リスは俺の顔に乗っかったまま言った。これは謝れってことか?


「じゃあなんて呼べばいいんだよ……痛え!」


 また噛まれた。


「私のことはキャサリンと呼びなさい。で、あんたさあ、私がなんでここにいるか分かってる?」


 キャサリン?お前、関原環だろ。このタマキン野郎が。


「知らねえよ」


「じゃあ、あんたはどうやってここに来たの?」


「なんか気がついたら死んでて、それで転生しろって言われたからだよ」


 リコーダー咥えてティッシュに埋もれて死んだとは言えない。


「じゃあ、私も同じような目に遭ったんだって思わない?」


 確かにそうだ。しかし……。


「お前……死んだの?」


「分からないわ。でもエロくされて死ぬほど嫌だったから、別の世界に生まれ変わらせてって言ったらここに来たのよ」


 そ、そうだったのか。もし、こいつの言うことが本当だとしたら気の毒なことをしてしまった。


「そ、それは申し訳ないことしたな」


「それだけ?」


「他にどうしろって言うだよ」


「あんた人一人殺したようなもんよ。人間本当に謝りたい時にするポーズがあるでしょ」


 ど、土下座ですか?いやいやいや。土下座はちょっと……。


「いや、そこまでは……」


 関原リスことキャサリンはまた口を開けた。


「わ、分かった。分かりました。やらせていただきます、いや、土下座させてください」


 キャサリンは満足そうに俺の顔から降りた。


「さあ、やりなさい!」


 俺は床に膝をつき、頭を下げて手をついた。


「もっとさあ、こう、頭を下げて……床につけて、そうそう。それで、手はもっと体と近くして……。うん、いい感じ」


 何がいい感じだ。こいつ絶対Sだろ。


「さあ、謝りなさい」


 キャサリンは頭を下げた俺の前に仁王立ちして言い放った。


「申し訳ございませんでした!」


「ほんとにそう思ってる?」


 妙な絡み方をしてくる。


「思ってます!」


「誠意が伝わらないわ」


 これ以上どうしろって言うんだろう。土下座以上の謝罪を俺は知らない。


「あんたさ、私の奴隷になりなさいよ。私の言うことなんでも聞くの。いい?」


 いいわけない。


「奴隷になんてなれるわけないだろ。何でそこまでしないと……痛え!」


 今度は俺の髪の毛を抜いてきた。なんて暴力的な女だ。こんな女に俺は惚れてたのか。


「わ、分かった。分かったよ!奴隷にでもなんでもなってやるよ!」



 

 パリィイイイイン!!


 急に窓ガラスが割れた。


 そして割れたガラスの割れたところから大きな影がヌッと入ってきた。おい、ここ二階だぞ!


「な、なんだ!」


 俺は飛び下がってその影を見た。


「ごごにダーゲッドがいるのが?」


 ひどいダミ声だ。その影はカーテンを引きちぎって部屋の中に入ってきた。


「な、なんだ……あいつ」


 俺の前に現れたのは、手に大きな斧を持った体長3メートルはあろうかというイノシシの化物だった。




「お兄様、どうしたの?なんかさっきから騒がしいけど……」


 リディアが部屋に入ってこようとした。


「リディア!来るな!」


 俺は叫んだ。


「えっ?あっ!あ、あ、あ……」


 リディアは化物を見て腰を抜かしてしまったようだ。


「グ、グランドオークが……モンスターが……なんで……」


 リディアは怯えきって声が掠れている。


 グランドオークは部屋を見渡して、そしてゆっくりと俺のほうに近づいてきた。


「何よあいつ。気持ち悪いわね。さっさと倒しちゃいなさいよ」


 いつの間にかキャサリンは俺の頭に乗っかっていた。


「ど、どうやって倒すんだよ。俺、何にもできないぞ」


 キャサリンはスルリと俺の頭から降りて、グランドオークの足からスルスルと登っていくと、首元あたりをガブリと噛んだ!


「グアアア!」


 グランドオークは叫び声をあげて持っていた斧を振り回した。さらにキャサリンは手の方に移動して奴の指を噛んだ。


「離ぜ!」


 グランドオークは斧を投げた。斧は俺の隣に置いてあった箪笥にぶっ刺さった。


「さあ、今のうちよ!」


 キャサリンが叫んだ。


 俺に何をしろって言うんだよ!

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