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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
里緒奈の章

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第91回 雨あがり、朝にアイデンテイテイーを確立する。

11月14日


きのうは、濡れてしまったので。

きょうは、干してあります。

下着だけ着て、ハッチにむかいます。

このまま宇宙に出ても、よいのだけど。

うごきやすい。

紳士なので、やっぱり、着ます。

あと、宇宙はさむい。

ハッチから順番に、ズボン、シャッツ、うわぎ。

下から脱ぐくせが、あるもので。

着るときは、逆ですね。

うん、機能的じゃない。

着ていくと、ハッチから離れてしまう。

カイゼンが必要です。


ズボンは、ゴキゲンにかわいています。

シャッツも、ゴキゲン。

うわぎは、やっぱりダメか。

まだ濡れています。

乾きにくい。

うわぎをハッチの前に干せばよかった。

宇宙の風で、かわいたのに。

どうしようか。

コートは、まだはやい。

それに下着にコートなんて着たら、事案が発生してしまう。

いた、しかたなし。

走ってかわかすことにします。


宇宙を駆けるぼくのうしろに、水の分子がどんどん、飛んで行きます。

宇宙では水は、まるくなるから。

小さなマルたちが、ぷかり、ぷかり。

マルのなかには小さなぼくが、ひとつ、ひとつ、いろいろに映っています。

あれは、男前のぼく。

あれは、イケメンのぼく。

そしてあれは、ハンサムなぼく。

ここにいるぼくは、かっこいいぼく。


水の分子が、水分身。

むかしの人はこれを見て、忍者を思いついたのでしょうね。

うわぎは水の分子が足りなくて、小さなマルは分身になりきれず、小さなマルのままなのです。

やあ、申し訳ない。

中途半端にかわかしてしまったものだから。

次の雨まで、待っていてください。


さあ、うわぎもゴキゲンにかわいたぞ。

雨はもう、しばらくいいです。

マルはそのまま、まるまっていてください。

ぼくがふえても、こまるしね。


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