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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
里緒奈の章

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第89回 センシティヴモイスチャー

11月12日


なんだか、白くなっているところがあって。

覚えています、セッケンを流したんだ。

この前ですね、セッケンが少なくなっていて。

お湯で溶かして、使って。

残ったやつを、流しました。

こんなに白くなるなんて。

セッケンは汚れがおちるから、白くなるものだけど。

これはもう、なんだか、表面がとけているんじゃないだろうか。

こわいな。


日々、セッケンを使うことで。

ぼくらの表面もちょっとずつ、とけているんだ、キット。

ほら、じいさんとか、ばあさんとか。

縮んでるじゃ、ないですか。

あれ、セッケンが原因です。

セッケンがとけて小さくなっていくように、ぼくらもちょっとずつ、小さくなっていくのです。

表面がとけすぎると、穴があいて、しぬ。

タマシイがもれてしまうからね。

たすかりません。


人間の寿命が、セッケンで決まっていただなんて。

ぼくはなんだか、ひどくかなしくなって。

泣いてません。

泣いてません。

顔を、洗っているんです。

セッケン、とってくれませんか。



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