第82回 カエル仙人の財テク術
11月5日
財布の中がしめっていて。
コインがこう、ぬめっとしてしまいます。
こんなコインを使ったら、お店の人にカエルだとおもわれてしまう。
先週は雨ばかりで、なんども濡れてしまったものだから。
すぐ乾くかとおもったのに、いがいとそうはいかないものディエス。
コインが使えないのは、こまるな。
お札ばかり使っていたら、すぐにお金がなくなってしまうよ。
仙人ではないのでお金は必要です。
お札ばかり使うと、かわりにコインを渡されてしまうから。
財布の中にはコインばかりがふえて、コインはぬめっとして。
悪循環です。
コインを使わないと。
コインを使えば、かわりにお札を渡してもらえるから。
お金持ちになれます。
死蔵されているコインが動くことで、日本経済も活性化する。
うーん、カエルだとおもわれても使うべきだろうか。
ぼくがぬめっとしたコインを渡して、コインもなかを貰い受けたい旨、丁重につたえると。
お店の人は無言でレジスターを打ちます。
怒ってしまったのだろうか。
お札も返してくれないし。
うーん、カエル仙人なもので。
申し訳ない。
そそくさとレジスターをはなれます。
ぼくの次には、なめくじ仙人が並んでいて。
ぬーん。
ぬめっとしたコインを渡します。
お店の人はまた、無言でレジスターを打とうとしますが。
とけてしまって、打てません。
む、さてはへび仙人のお店だったか。
あぶないあぶない、やられるところだったよ。
やはり、お金を惜しんでカエルだと思われることに甘んじてはいけませんね。
男児たるもの。
常に、より高みを目指さないと。
武士は食わねど高楊枝。
ぼくの財布にはこうして今日も、ぬめっとしたコインがふえていくのディエス。
こんなペースでコインがふえたら、半年後にはセレブの仲間入りだ。
むう。
革命で倒されないうちに、ほどよいところで高い山に逃げよう。
男児たるもの。
常に、より高みを目指さないといけないそうですので。




