表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トゼンサウ  作者: ナルサワパン
葉月の章
8/2983

ねこの忍術

8月23日


知らないねこさんが、ぴゃっと出て来て。

小さい、茶トラの子猫さん。

先にコンビニの裏で赤ちゃんの子猫さんを見かけたけど、あれは大分まえだったから。もっと大きくなっていそうだな。

ぴゃっと出て来たのは兄弟だろうか。

あら、ねこさん。

ぼくはついうれしくなって、チチチと呼んでみたけど、またぴゃっといなくなってしまった。

びっくりさせてすまないね。

ぼくが自転車に乗っていたものだから。

大きな生き物にチチチと呼ばれたと思ったのだろう。

ぼくだって、巨大ロボにチチチと呼ばれたらときめいてしまうよ。


あっちの家の駐車場では、いつもついていない電気がついていて。

いつも寝ている変なねこが、今日は座って見張っているよ。

あれは変なねこだからな、たまには電気くらいつけるだろう。

いつもいるから馴れたもんだ。

まずいな、茶トラの子猫さんをびっくりさせたのを見られたようだ。

事案が発生してメールを配信されてしまうかもしれない。

あれは変なねこだからな、、メールくらいはするだろう。


それにしてもねこによく会う日だな、今日は会議だったのだろうか。

ぼんやり自転車をこいでいると、茂みの中から茶トラさんがまた、ぴゃっと出て来て。

やあ、またびっくりさせてしまってすまないね。

追いかけたわけではないのだが、ぼくも

そっちに行くもので。


ぼくが自転車に乗っていた、ものだから。

茶トラの子猫さんはびっくりして、また、ぴゃっ。

ああ、ダメだよ。

そっちに行ったら。

ぼくもそっちに行くから、また、びっくりさせてしまうよ。

ぼくが自転車をギイコ、ねこさんが、ぴゃっとでてきて、ぴゃっ。

ぼくが自転車をギイコ、ねこさんが、ぴゃっとでてきて、ぴゃっ。

あれ。

これではまるで、ねこさんがぼくを誘導しているみたいだな。

いったいどこにつれていかれるんだろう?

会議だろうか。

ぼくはねこではないのだが。


何度めかのギイコ、ぴゃっのあと、ふと地面を見ると。

ねこさんのかわりにパンツが落ちていました。

ねこがパンツになったんだろうか。

それとも、何かの罠だろうか。


背中に感じるねこの気配。

いま振り向いたら、ぼくはパンツにされてしまうのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ