終わっちまった悲しみに。
10月23日
やってくるよ。やってくるよ。というので。
わくわくして起きていたのですが、それがどうも、よくなかった。
起きているのに疲れて眠っていたら、そのうちに終わってしまったようでして。
扉をあけるとはぁ、しづかなモンです。
終わってしまったのだから、まぁ、しかたない。
終わってしまった町を、終わってしまったぼくが歩きます。
やぁ、いろいろ、だめになっていますね。
特に、空。
あんなムラサキ色の空なんて、インド人見たことない。
終わってしまった町では、終わってしまったぼくらがのろのろ歩きます。
もう、終わってしまったのだから、急いだってしかたがないし。
スーパーでは、おじさんたちが脚立を立てて。
目標は、目標は、などと話しています。
なんだ、もう、始めてしまう気なんですか。
せっかく終わってしまったのだから、もう少し、終わってしまったままでいいじゃないですか。
静かな心でいさせてください。
ぼくはおじさんたちのスキをついて脚立をたたむと、トラックにしまってしまいました。
トラックからおりると、おじさんたちはすっかり風にとばされていて。
ほら、言わんこっちゃない。
終わってしまったものは、終わってしまったままにしておくべきなんだ。




