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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
里緒菜の章

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圧迫面接

10月22日


水の音がしますね。

ばしゃばしゃ。

ざぶざぶ。

どうやら寝ているうちに、海にきてしまったらしい。

海、いいじゃないか。

浅草で買った格好いいアロハシャツを着て、サングラスなんかおでこにのっけちゃって。

トロピカルなジュースを片手に。

背もたれのあるイスにすわってさ。

それではまず、本社を志望した動機をお聞かせください。

「はい、御社の将来性と、何より、社風が私にあっていると考えたからです。」

不採用です、帰りなさい。

もっとおもしろいことを言え。

はい、次の方。

「寿司っすか。」

寿司だとぅ!?

ふざけるな、帰れ!

はい、次の方?

「帰っていいですか。」

うん。

帰っていいよ。

でも君はちょっとおもしろかったから採用します、明日から来なさい。

今日はもう帰りなさい。


みんなが帰ってしまったビーチには、ようやくぼくがひとりっきりです。

プライベートビーチってやつだな。

もうしばらくこうして、海にいることにしよう。

背もたれのあるイスにすわって、目を閉じたまま。

目を開けてしまうと、海の音は洗濯機になって。

夏の太陽は、昨晩消し忘れた豆電球になってしまうから。

この海をまだ、失いたくない。

今日を始めるのは午後からでいいや。




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