くさり縁
10月19日
鎖が、洗濯バサミでとまっていて。
あぶないな。
こんなのすぐにはづれてしまうよ。
なんの鎖なんだろう。
干すのかな。
ものほし鎖。
悪くない。
オシャレだし、使わないときはコンパクトに、しまえます。
さびないよう、サビナインをよく塗っておかないと。
だいたい、ものほしスティックなんて存在自体がイマくないんだ。
これは、売れるぞ。
ものほし鎖が売れたので、ぼくはお金持ちになりました。
世界経済も安定し、各国は表面上の平和を保っています。
そうなると。
成功したぼくをねたんで、ものほし鎖は洗濯バサミでとめるから、すぐはづれてしまうとか。
サビナイン社と癒着していて特別に便宜をはかっているとか。
根も葉もないネガティブキャンペーンを行う者があらわれました。
なんだとこのやろう。
お前なんか、鎖でしばって。
干してやる。
反抗分子の徹底的な粛清をおこなったため、以後。
ものほし鎖の天下は、ダンケチェーン16世が暴走した市民にものほし竿でなぐりころされ。
スティック革命が勃発するまでの長きにわたり、続きました。
人類の歴史はこのような、不毛な争いのくりかえしです。




