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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
里緒菜の章

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天と地と

10月11日


あちこちに、ミドリの旗が立っていて。

合戦の準備だろうか。

それとも、寝ているあいだに侵略されてしまったのだろうか。

ミドリは、たぬき軍だったか。

それとも、武田軍だったかな。

武田軍はウマにのっているから。

はやい。

侵略することウマの如しだ。


旗には、「振り込め詐欺」とか、「ひったくり」とか、書いてあって。

これは武田軍ではないな。

人をだます、わるいたぬき軍のほうだったようだ。

上杉軍に頼んで、泥舟で沈めてもらわないと。


ミドリの旗の中に、一本だけ、白い旗があります。

ヒーローだ。

うさぎ軍だ。

みんなのために、わるいたぬき軍とひとりでたたかっているんだな、えらいぞ。

白い旗には、「からあげ」と書いてあります。

むかついたので、ぼくは上杉軍に電話してそいつをやっつけてもらったよ。


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