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勤皇倒幕運動
10月6日
ズボン腿のところが少し、裂けていて。
あらやだ。
どうしたのだろう。
戦ったのかな。
このへんには、人斬りクマというのが出るらしいから。
人斬りクマ。
なんだそれは。
やっぱり、カタナ差してるんだろうな。
拙者とか、ござるとか言うんだろう。
クマが不器用にカタナを抜くのを見て、ぼくは。
北辰一刀流でござるか。
うん、むしろいらないな、カタナ。
だから勝てたのだろう。
ぼくが人斬りに警戒しながら進んでいると、カタナがなにやら、ずるずる。
引き擦られています。
おや。
あなたは、人斬りひよこさんですか。
「ほくしん、いっとうりゅうです。」
左様でござるか。
カタナが重くてたいへんそうだ、自転車にのせてあげますよ。
カタナはそら、そこのカワウソに貸してあげるといい。
人斬りがいなくなったので、ぼくとひよこさんは軽快に街へ進みます。
うさぎさんがうわさをしています。
「さいきん、人斬りカワウソがでるらしいよ。」
イタチさんがうわさをしています。
「やあねえ。」
やあねえ、やあねえ。




