第509回 修羅界
1月3日
せいふの方が。
みっかまではそとにでるな。
しにますから。
そういうので。
ヘヤにこもっておりましたが。
さいわい。
ぼくはモチをためていたので。
いきのびた。
なつのあいだにあそんでばかりいた。
バッタなぞは。
バッタバッタとくたばるおとが。
みっかのあいだ、しておりました。
そとからきこえておりました。
まったく。
おそろしいことです。
さいわい。
ぼくはモチをためていたので。
いきのびた。
いきのびましたが。
こう、モチばかりたべていては。
栄養がかたよる。
モチになってしまいます。
まあ。
みっかになったことですし。
そとにでもでてみることにしますか。
すっかりモチになってしまった。
ぼくはそとへとでてみます。
そとのせかいのみなさん。
モチです。
おめでとうございます、おめでたいですね。
ぼくはバッタのくたばっている。
そとのせかいをありきます。
カマボコです。
かずのこです。
黒豆です。
やあみなさん。
やっぱり栄養がかたよって。
カマボコや、かずのこや。
黒豆になってしまわれている。
いえいえ。
いきのびたのならなによりです。
おめでとうございます、おめでたいですね。
ぼくはご無事をいわいます。
ネコですが。
ニャー。
おぉ。
お手前はネコさんですか。
いやしかし。
この方は、ネコをためこんで。
ネコばかりたべていた方なのだろうか。
はたまた。
ネコさんにはせいふの方とかかんけいないので。
みっかのあいだ、そとにいて。
しゃべれるように進化した。
のでしょうか。
どちらにしても、おそろしいことです。
ぼくはこわくなってかえります。
ヘヤにかえって基地でもつくろう。
いまの時代。
身をまもるのは自己せきにん。
モチの要塞、陥とせるものなら陥としてみろ。
そうかんたんにはまけないぞ。




