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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
里緒菜の章

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樹になる気

10月3日


肩にこう。

ぽたっと、なにか落ちてきて。

なんだろう。

昨晩は雨が降っていたから、その雫だと思うけど。

レインドロップ・ドリッピー。

なんでもない。

血とかだと、こわいな。

こわくて確かめらない。

カラスのフンとか。

鳥のフンには木の実とか、いろいろ入っているから。

生えてきてしまう。

ぼくの肩からきっと、養分がどんどん吸われて。

最後にはガジュマルの樹になってしまうんだ。

こわくて確かめられない。


そんなわけで、ぼくの左肩には謎のアンテナが付いたままなのです。


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