第450回 九九八十八夜
11月5日
よるのおとが、ききたくて。
ほんじつは。
みみをふさがずでかけます。
よるのおとは、ボウボウ、ボウボウ。
たまにきくとこころがなごむ。
ボウボウ、ボウボウ。
よるのおとが、ききたくて。
みみをふさがずでかけます。
よるのおとが、ききたくて。
みみをふさがずでかけたのに。
あめのおとが、じゃまをする。
ヒトヒト、ペッチャン。
ヒトペッチャン。
ヒトペッチャンノペットントン。
むう。
ほんじつは。
そんなきぶんじゃないというのに。
あめのおとが、うるさいのです。
ぼくはスピードをあげて。
あめのくもを、ふりきってやる。
はやいスピードのなかでは。
よるのおとだけ、ボウボウ、ボウボウ。
ようやっと。
よるのおとが、きけました。
あめのくもは、もういないな。
スピードをおとすと。
じじいがなんだか、いんいちがいち、いんにがに。
じじい。
じゃまをするねい。
じゃまなんだ。
さんすうは、よがあけてからにしろ。
うるさいのです。
ぼくはまた。
はやいスピードのなかににげだします。
はやいスピードのなかでは、じゃまするものもいなくて。
よるのおとだけ。
ボウボウ、ボウボウ。
ボウボウ、ボウボウ。




