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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
そして季節は巡り、再びの葉月の章

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第377回 俺は夢中 君に夢中

8月24日


なにもかもが。

うまくいかないゆめをみて。

電車にのっていたら。

いつのまにか電車がなくなっていたからぼくは、ゆめからもどれなくて。

なにもかもが。

うまくいかないまま。

ぬれないから。

タオルはいらないとおもったら、ぬれてしまうし。

自転車はたおれるし。

こんなにうまくいかないなんて。

そうだ。

これはゆめにちがいない。

電車がなくなって。

あるきだからまだ、もどれないんだ。



ほら。

あそこにヘルメッチが立って。

すすめとか。

とまれとか。

やっている。

とまりなさい。

ヘルメッチがやります。

ちぇ。

やっぱりうまくいかないな。

さっきまですすめだったのに。


ヘルメッチがようやくすすめをやったので、すすみます。

あ。

むこうから、ちがうヘルメッチがあるいてくる。

夢のなかはみんな、ヘルメッチをかぶっているな。

ヘルメッチをかぶっていないと。

きけん。

なにもかもが。

うまくいかない、そういうルール。


せめて、タオルでもかぶろう。

カバンからタオルをとりだして。

あ。

あるじゃん、タオル。

なんだかうまくいきはじめた。

ぬれたかおをタオルでふいて。

ほうやく。

夢からさめた、みたいディス。



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