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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
そして季節は巡り、再びの葉月の章

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第360回 サンタネスト

8月10日


あのビル。

いつも、あそこのヘヤだけ人がいる。

ぎゃくにいえば。

あのビル。

いつも、あそこのヘヤしかひとがいない。

限界集落。

なのではなく。

しっています。

あのビルは、サンタのすみか。

サンタのすみかなのディス。


ぼくは先に、あのヘヤのまどに。

サンタがいるのをみたことがある。

まどわくから、ぶらさがって。

脱走しようとこころみていた。

つらいことでもあったのだらう。


サンタはモコモコのふくなぞきて。

メリークリスマス。

メリークリスマスなんて。

いかにもたのしそうにはたらいていますが。

全宇宙にプレゼントをくばらなくてはいけなくて。

いそがしい。

とてもかこくなおしごとです。

ストレスで、ふとります。

そりゃあ。

まどからにげだしたくもなります。


サンタの仕事はいそがしいから。

サンタのすみかは、つねにガラガラ。

限界集落。

いつも、ヘヤにいるあいつだけは。

うまいことサボっているのディしょう。

わるいサンタもいたもんだ。


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