第335回 魔界先生・恐怖の時間割り
7月16日
魔鳥が、ギャアギャアとなく。
ふむ。
しごとにいくつもりであったが。
まちがえて。
魔界にきてしまったらしい。
そのしょうこに。
そら、じじいがたっている。
じじいは半分、こちらにきているようなものだから。
魔界にたっていても、おかしくない。
やたらとめだつ、じじいのおなか。
じじい。
こんなところにたっていないで。
常世の世界にかえりなさい。
しんでからこい。
じじいはおおそうか、と返事して。
よたよたとあるいていきます。
魔界は常世とおなじようで。
やっぱりどこかおかしい世界。
そら、デンキ屋がありますが。
テレビがみんな、しんでいる。
うれないね。
うれないね。
デンキ屋のいみがありません。
駐車場でねる、よっぱらい。
ふたり。
やたらとめだつ、よっぱらいのおなか。
いいきなものだ。
ひいてやろうか。
よっぱらいめ。
常世の方で。
ねたまま、しにかかっているな。
はきだせ。
もどれ。
しんでからこい。
まったく。
さて。
魔界にきていても、なにがかわるわけでもなし。
しごとにいきますが。
やはり魔界は勝手がちがう。
魔箱のフタがあかなくて。
えい。
ひっぱったら。
いきおいあまって、頭をぶつける。
やあ、しめたしめた。
これで常世にもどれるぞ。
フタがあいて、しめたしめた。
頭をぶつけて、しめたしめた。
しごとを終わして、帰りみち。
む。
フイルムがおちている。
ディジタル全盛のこのご時世に。
わざわざフイルムなぞ、つかうなんて。
さては、なんぞわいせつな映像。
脅迫に、つかわれている。
こんな非道がまかり通るなんて。
どうやらここは、まだ魔界。
お前たちはやくかえりなさい。
このフイルムは、先生が没収する。




