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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
ハスカップの章

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第300回 カメダスの観測

6月11日


みなみから。

タイフーンさまだか。

モンスーンさまだか。

おみえになりまして。

安室なみえ。

なんでもない。

キャメになって、でむかえます。

キャメは、みなみのいきもの。

頭がひくい。

失礼のないよう、キャメになります。


キャメはうごきが、ゆっくり。

まにあうよう、けいさんして。

やることを、いつもよりへらしますが。

けいさんするのも、ゆっくり。

けっきょく、おそくなります。

まあ。

特にいそぐ、ひつようもなし。

首をちぢめて安全だいいち。

いのちあっての、ものだねです。


キャメはゆっくり、すすみますが。

頭がひくい。

首をちぢめると、まえ方向しかみえなくて。

みぎ後方。

せまるミサイル。

いいや。

キャメならあたっても、しにはすまい。


あそこにおちてるのは、シャンプーハット。

うさぎだな。

うさぎめ。

キャメになろうと、頭をあらって。

みみをとったにちがいない。

みみがとれたら、ささえがなくなり。

シャンプーハットが、じめんにおちた。

まちがいない。

かわいそうだが、みみがなくては。

みぎ後方。

せまるミサイルに、きづくまい。


ぼくはうさぎのために、いのります。

せめてうつくしく散れ。

キャーメン。


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