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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
ハスカップの章

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第296回 力士と武者人形

6月7日


砂場のベンチが、ぜんぶたおれて。

だらしないな。

たおしたらちゃんと、なおさねいと。

また。

力士が、あばれたのかな。

力士は、しょうがねいな。


力士は砂場でたたかうのがとくい。

海と砂場だけになってしまった地球では。

力士が最強せいぶつです。

食物連鎖の、ちょうてん。

うさぎは食われないよう注意しなさい。


宇宙のひとは、たおされたベンチのかたきをうつため。

ロボットを投入します。

ロボットはスタメン。

ベンチなぞとはかくがちがう。

しかもイケメンだ。

ハッキヨイ、ドスコイ。

さすがの力士もロボにはかてない。

たおされてしまいます。


砂場の力士が、ぜんぶたおれて。

ロボはたおれた力士を、なおしてあげます。

だらしあるな。

そう。

たおしたらちゃんと、なおさねいと。

ロボットは、しょうがあるな。


サンキュウベリーモモンガ。

力士とロボは握手して、なかなおりします。

たおれたベンチにふたりですわる、おおきなからだのうしろ側。

そっとつながる、ふたつの手と手。

やがてふたりは、海べの砂場をどこまでも。

手に手をつないで、あるきます。

地球はやさしさの惑星です。


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