表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トゼンサウ  作者: ナルサワパン
きんじろうの章
298/3031

第282回 ハンコウ鬼

5月24日


目線のさきに、しばいぬがいて。

ぎょっ、として、見直します。

なんだ、ガードレールか。

ガードレールが、しばいぬにみえるなんて。

世界もいよいよ、おしまいです。

否。

ガードレールのくせに。

しばいぬになるなんて、やるじゃないか。

ぐうぜんですが。

ぼくは正体を、みぬいてしまった。

ガードレールは、しばいぬです。


ガードレールにそってすすむと。

ハンコ屋の、カンバン。

うむ。

カンバンがあるのは、しっていましたが。

きょうはびみょうに、ガードレールがあいていて。

はいれます。

あれだ。

しばいぬになって。

どこかへいって、しまった。

ガードレールは、ハンコ屋の手下です。

うむ。

カンバンがあるのは、しっていましたが。

いつもはふさがっている、ガードレールの奥に。

ハンコ屋じたいがあるとは、知らなんだ。

ハンコなぞ、別にいらないが。

カバンに3コ入っているし。

ご招待されている気がするので、いってみます。


しかし、なんだ。

ずいぶん、ちいさいな。

ハンコ屋のほうが、カンバンよりちいさいじゃないか。

これでガードレールがしまっていたら。

ぜったい、気がつきません。

カンバンを出さなきゃいけないワケです。

これは、しっぱいだな。

構造的欠陥がある。

広告費、お高いでしょう。

ちいさなハンコ屋のなかでは、ちいさな鬼たちが。

一生懸命、ハンコをけずっています。

ハンコ、ください。

200円です。

なんだ、お金がかかるのか。

渡る世間は鬼ばかり。

せちがらい、よのなかです。


さて。

手にいれたハンコを、せっかくなので、おしてみたい。

おお。

ちょうどよいところに、ガードレール。

白が朱肉の赤に映えます。

おしてみよう、えいや。


柴犬


なんだこのハンコは。

ぼくは、しばいぬじゃないぞ。

こんなもの、つかえやしない。

きっとハンコ屋の鬼どもめ。

これしか漢字を、しらないんだ。

儲からなくて。

店がおおきく、ならないわけです。


ハンコをおされたガードレールは、しばいぬになってしまって。

こうやって。

しばいぬが、ふえるわけだ。

さいきんブームだしな。

かわりにガードレールが、へっていく。

交通事故が、ふえる。

鬼どもの。

人類を滅ぼす、遠大な計画はすすんでいます。

世界もいよいよ、おしまいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ