第276回 遥か彼方、重力の底
5月18日
サンダルあたりのじぬんがぬけて。
いろいろなものが、おちてきます。
しってますか。
地球は、まるいから。
サンダルあたりのじぬんがぬけると。
ちょうど、反対がわの。
カナダらへんにいろいろ。
おちてくる。
うさぎ。
サル。
バッファローマン。
どれもカナダには、ないものです。
異国情緒がある。
きのうのよる。
そう。
たしかにこう、カツーンと。
サルなぞのおちるおとが。
したのディスが。
ビデオをみていたもので。
まあ、いいかと軽くながしてしまった。
早急に、対処すべきでした。
いちどバランスのくずれたじぬんは、そのまま。
バランスをもどせずに。
ガクンとぬけてしまいます。
カナダでは。
きょうはとくに、重力がつよいもので。
それはもう。
いろいろ景気よく、おちてきます。
ぼくの足からも、なにかがおちた。
なんだろう。
サルかな。
うさぎかな。
あのバッファローマンは。
サンダルから、おちてきたのかな。
ぼくのあしから、おちたのかな。
さて。
カナダにおちたいろいろを、どうしたもの。
でしょうか。
サンダルにはもう、もどせないしな。
初夏のカナダは、見渡すかぎりの異国情緒。
すっかり下にうまってしまって。
むしろもう、サンダルです。
地球ではむかしから、こうやって。
たまに重力がつよくなると。
反対がわの、じぬんがぬけて。
ふるい時代のものは、下にうまってしまいます。
25世紀の考古学者は、カナダ地層をほりだして。
うむ。
このわたりはむかし、カナダだった。
二酸化炭素のせいで。
あちくなって、サンダルになった。
なぞと言うに、ちがいない。
考古学者には、わかるまい。
まさかカナダのうまった理由が。
ビデオなぞとは、思うまい。