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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
きんじろうの章
280/3030

第265回 ひげを剃る際の左手の位置について、考察。

5月7日


ビリビリビリとひげをそりながら。

ぼくは左手の位置について、かんがえます。

左手は。

左胸をまもる位置に、コンパクトにかまえて。

いつでも迎撃できるよう、こぶしはかるくにぎる。

ぎゅっとにぎったほうが。

パンチはつよいですが。

そこが、しろうとかんがえ。

ぎゅっとにぎったほうが。

パンチはつよいですが。

パンチいがいがだせなくなる。

とっさの対応には。

パンチだけでは、ふじゅうぶん。

チョップや、はりて。

つかんで、なげる。

関節わざ。

パンツ、など。

攻撃のせんたくしはひろく、もつべきです。

ビリビリビリとひげをそりながら。

なににおそわれるわけでも、ねいですが。

いつでも宇宙人の攻撃にそなえるのが、カナダ男児(おのこ)の心がまえ。

左手は。

かるくにぎって、左胸のまえ。

よし。


宇宙にでるのは、ひさびさなので。

こうやってぼくは、ひとつづつ。

確認しながら、すすめます。

ふく。

ふくは、どうだったかな。

かぎ。

かぎは、どうだったかな。

メンチ。

うむ。

夕食は、おなかにやさしいものがいいな。

よし。

たぶん。

だいたい、あってる。


宇宙にでるのは、ひさびさなので。

少々ふあんでは、ありますが。

確認。

だいじょうび。

だいじょうびなようなので、宇宙へでます。

きょうも宇宙は、風がつよくて。

表面上の平和を、まもっていて。

ふつうですね。

つまらん。


さて。

宇宙に出たぼくは。

おぅ。

ぼくがないことに気づいて、たまげます。

なんだ。

あれだけ、確認したのに。

かんじんのぼくが、ないなんて。

いつだらう。

いつから、ないんだ。

きのう。

おととい。

ぼくは記憶の糸をたどり。

ぼくをいつ忘れてきたのか、おもいだします。

そうだ。

おととい、スーパーにいって。

駐車場においてきた。

こうしてはおられない。

宇宙をただよっている場合でもないので、ぼくは。

スーパーに、いそぎます。


駐車りょうきん、1200えん。

うげぇ。

うまい商売、してやがら。

予想外の出費に、ぼくの左胸はいたみます。

この攻撃は。

かるくにぎった左こぶしでは、さばけなかった。

人生はつねにアンビバレント。

どんなにかんぺきに確認をしても。

予測不能のじたいがおこり得ます。

アーム・ジョー。

なんでもない。


ぼくをとりもどしたぼくは、左胸(ハート)に火を()れて。

宇宙へむけて、飛びたちます。

レディ、宇宙ロケット。

トゥリー、スー、アンド、ゴー。

ボーン。

向かい風は大気圏の、抵抗力。

空の上の空へ、いま、駆ける、駆ける、駆ける。


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