第246回 どこいっちゃったんだろうねー、わたしの大福。
4月18日
しだりの肩に、ななめの一本線。
なんですか。
隊長のしるし。
ぼくは、あかくないから。
隊長じゃない。
3をかけようとしたって、ダメです。
ではこれは。
むぅ。
分数。
線のうえは、ブンシ。
線のしたは、ブンボ。
と、いうこと。
なのでしょう、か。
しだりの肩だけ、ブンシとか。
なんだかひどく、アンバランスです。
しだりの肩と、のこりのからだで。
3/98。
と、いうところ。
でしょう、か。
ブンボが100にならないのが。
きになりますが。
のこりの2が、どこにいったのか。
きになりますが。
とりあえずは、そういうこと。
でしょう、か。
算数はよく、わかりません。
隊長になるには、算数ができないと。
ぼくはがんばって、3/98に3をかけます。
さざんが、きゅう。
くく、はちじゅうはち。
ひゃあ。
88/98になってしまった。
これはなにかの、まちがいです。
しだりの肩に、反逆されて。
だいぶん侵食されてしまったぼくですが。
3をかけられては、しかたない。
のこりのからだが10では、いた、しかたない。
10のぼくが、のこっているだけ。
まだ、よしとします。
かくなるうえは、あかくなって。
隊長として、はたらきますよ。
ぼくが算数ができないのをいいことに。
だますなんて。
まったく。
えらいことになったもんだ。
ぼくはぼやきながら。
隊長らしく、せきばらい。
ブンシのやつらに、いばってみせます。
ブンボ、ブンボボブンボッボ。
ブンボ、ブンボボブンボッボ。
ハッ。




