表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トゼンサウ  作者: ナルサワパン
金剛石の章
255/3031

第242回 転んぶす

4月14日


このところ、さいきん。

毎朝、たまごがたおれてしまうとおもっていたら。

足が、とれているじゃあないか。

たまごは、不安定なので。

足が、2ほん。

しっぽが、1ぽん。

3点で、ささえます。

かつて、探検家のクリストフアくんは。

貴公はたまご、たてられるとですか?ときかれて。

たまごをつぶして、たてましたが。

現代人は、探検をする。

必要もないので。

たまごのような不安定なものは。

無理をせず、足をつけます。

現代人は、合理てきです。

その足が、1ぽん。

とれている。

たまごのような不安定なものを、足もつけずに机のはしに置いたら。

それは毎朝、たおれるわけです。

毎朝、たまごをたおさないように。

気をつけて、いたのに。

毎朝、たまごがたおれるから、ぼくは。

反抗期なのかと、おもっていましたが。

なるほど。

こういうことでしたか。


さて。

たまごの足、たまごの足。

どこへいきましたか。

毎朝、たまごをたおさないように。

気をつけて、いるのに。

毎朝、たまごがたおれるのでは。

精神衛生上、いくない。

たまごの足を、さがします。

机のした。

机のしたは。

カオスひろがる、異空間。

かたづけなくて、かたじけない。

カオスの中に、足をさがします。

ないですか。

ありました。

あんがいにすぐ、見つかります。

まだまだ。

ぼくのカオスも、あまいようです。


見つけた足を、たまごに。

とりつける、わけディスが。

足が、2ほん。

しっぽが、1ぽん。

3点で、うまく。

支えられるよう、つけねばなりません。

計算します。

入射角。

反射角。

半径かける、3.14。

多少の誤差はありますが。

このわたりで、よいでしょう。

よし。

たまごを、たてますが。

足をさかさにつけてしまった。

わいはぁ。


足をつけなおした、たまごは。

足が、2ほん。

しっぽが、1ぽん。

3点。

絶妙なバランスで、ささえあい。

机のはしに、たっています。

友情、努力、勝利。

立法、司法、行政。

破壊、創造、調和。

古来より、3点のバランスは。

それぞれの力で、ささえあい。

いちばん安定するカタチとして、つかわれてきました。

進化の過程で、しっぽをなくした、人間は。

不安定で。

だれかとささえあうことが、必要です。

そこのあなた。

あなたは、ぼくのしっぽですか。

わたしですか。

わたしは、あなたのしっぽではありません。

なんだ、このやろう。


うらぎりもの。

ぼくは、すなおじゃないそいつを。

机のはしから、おとしてやりましたよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ