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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
金剛石の章
252/3030

第239回 降り神

4月11日


紙ひこうきのように。

さんかくにたたまれた、ビニールのふくろ。

おちています。

さんかくは、とべるかたちですが。

ビニールは、紙よりおもいので。

たたまれても、とべない。

むしろたたまれないほうが、とべる。

たたまれたのはだれですか。

ひらげて、あげなさい。


はるのひざしのなかを。

きらきらかがやきながら。

かぜを切りとぶ、さんかく。

とうめいの、ひこうき。

ぼくはおもいうかべます。

あら。

ステキじゃない。

さんかくにたたまれた方のきもちも、わかるきがします。

アイディアは、わるくない。


とうめいのひこうきがとんでいく空を。

目で追いながら。

あるくぼくの頭上を、ななめによこぎるさんかく。

紙ひこうきのように。

さんかくにたたまれた、からす。

おちていきます。

さんかくは、とべるかたちですが。

からすは、たたまなくてもとべるし。

むしろたたまないほうが、とべる。

たたまれたのはだれですか。

ひらげて、あげなさい。


雲のうえでは、かみなりさまが。

ネコや、ひとでや、ワゴン車。

いろいろなものを。

お前もさんかくに、たたんでやろうか。

お前もさんかくに、たたんでやろうか。

さんかくにたたまれて、なげています。

ひどいことはやめなさい。

さんかくは、とべるかたちですが。

紙いがいは、とべません。

エコじゃない。


ぼくならたたんで、オルガンにするね。

雲のはてから地上に降る、ハ長調の、三和音。

はるのひざしのなかを。

ドミソ、シレソ、シファソ。

ドミソ、シレソ、シファソ。


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