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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
金剛石の章
251/3029

第238回 た たかしくんがやろうっていったんだよ

4月10日


うみの底に、なにやら。

つまって、おりまして。

ちょっとずつしか、ながれません。

ちょっとずつしか、ながれないので。

あめなどふると、地上は。

一時的に、あさく。

ぬまのように。

なって、しまいます。

12センチくらい。

むぅ。

ごみがつまって、いるのでしょうか。

それとも。

つみがつまって、いるのでしょうか。

人間は、いきているだけで、ごみをだす。

人間は。

いきているだけで、つみなのでしょう、か。

なんだかかなしくなりました。

かなしくなりましたので、たびにでますよ。


たびにでますので。

おきます。

おはようございます、おはやいですね。

さて。

たびだちの、じゅんび。

パンツ。

さっそく、パンツがない。

さすがにパンツがなくては。

たびだてません。

犯罪です。

どうせ、うみの底につまってるんだ。

しかたない。

この日のためにとっておいた。

とっておきの、ボクサーパンツをだします。

くつした。

さらに、くつしたもない。

くつしたは、なくてもたびだてますが。

おしゃれ度が、さがる。

いただけません。

どうせ、うみの底につまってるんだ。

男性ものの下着ばかり。

つまって、いるなんて。

なんてエッチなうみなんでしょう。

犯罪です。

しかたない。

片足は、くろ。

片足は、コン。

かたほうずつ。

いろとりどりで、たびだちます。

くろと、コン。

かたほうずつ。

どこへいって、しまったのでしょう。

また、うみの底ですか。

エッチマンめ。


エッチマンのせいで、きょうのぼくは。

ボクサーパンツに、片足、くろ、片足、コン。

実にびみょうなじょうたいです。

これで、すくなくとも。

きょう中にしぬわけにはいかなくなった。

もしきょう、しんだら。

ボクサーパンツに、片足、くろ、片足、コン。

びみょうなすがたの。

男性の変死体が。

うみの底に、つまっている。

事案が発生してしまう。

むぅ。

これではしぬわけにいかないので、ぼくは。

びみょうなじょうたいのまま、びみょうなきょうを。

びみょうなままに。

せいいっぱい、いきていきます。


人生とは、無限の旅路。

無限の航海、無限の後悔。

ああ。

パンツをうみに、ながしさえしなければ。

心ではそう、おもっていても。

片足、くろ。

片足、コン。

びみょうなくつしたをはいた足は、12センチほどの浅瀬のなかへと。

ちゃぷちゃぷ。

その一歩を踏みだして、ゆくのです。


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