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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
金剛石の章
248/3031

第235回 ギルガメシュ

4月7日


カミを、きりにいきたいので。

フロにはいります。

カミを、きりにいくためには。

あさいちばんにフロにはいり。

身をきよめる。

そうしないと。

トコヤにころされます。

ころされては、たまらない。

ぼくはまだまだ、この日本にひつような。

人材ですぞ。


フロがすんだら、ハチマングーに祈りをささげる。

必勝を、祈願。

ナムハチマンダイボサツ、わが国の、神明。

われをトコヤに勝たせたいとおぼしめさば、この荒れ狂う海を割り。

われを彼岸へとたどり着かせたまへ、アーメン。

われをトコヤに負かせんとおぼしめさば、この場でイカヅチをおとし。

われをいますぐ焼きころしたまへ、ソワカー。

儀式がすんだので、コーヒーブレイクにします。

トコヤにいくのはなかなか、たいへんだ。


さて、海は割れませんでしたが。

かわりに空は晴れました。

ハチマングーはどう判断したのだらう。

もともとカナダに海はないしね、よしとします。

カナダにあるのは、ふかい森。

森のおくでは、運命を断ちきるハサミをもった。

トコヤが、まちかまえています。

準備もすんだので、よし、デンワだ。

おいトコヤ、やいトコヤ。

おりますか。

「寿司っすか。」

寿司だとぅ!?

このやろう、足元みやがって。

カナダ人め。

寿司にアボカドをいれるつもりだな、ゆるさない。


斧をたずさえたぼくは、暗い森の道をすすむ。

トコヤも、斧にはかなわなかった。

これでもう、二度とカミを切ることは、できまい。

試合に勝って、勝負にまけた。

というわけか。

ぼくの心は、森のように、暗くふかく。

斧のように、重くしずんで。


トコヤのいなくなった森のおくで、ぼくのカミはのびつづける。

やがては野獣のような姿となり、すべてをわすれて暮らすのだらう。

ことばもわすれた森のカミは、神斬る王のあらわれるまで。

斧をたずさえ、森をさまよう。

フンババフンババ、ヘイヘイホウ。

フンババフンババ、ヘイヘイホウ。









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