第228回 三行革命
3月31日
春はフクロの、きせつであります。
こんなあたたかい、よい陽気の日には。
各家庭から、わきでたフクロが。
群れをなして。
そこらで山に、なっています。
山のまえには、漁師のおじさん。
フクロを網でとらえようと。
していますが。
フクロに網をうまく、かけられなくて。
2こくらい、とらえきれておりませんが。
これでいいかと、妥協しています。
さすがの荒波できたえた経験も、山があいてでは、分がわるい。
山は猟師の、でばんです。
ぼくは猟師ではないけれど。
知恵がある。
漁師のおじさん、おじさんは。
山の体積と、網の容積が。
把握できていませんね。
そのへんが文系の、げんかいです。
ふむ。
山の体積は、底辺かける高さ、割る2で。
眼鏡をクイッ。
ぼくは漁師のおじさんが。
網でとらえきれておらないフクロを2ツ、山の上につみなおします。
どうディスか、おじさん。
これなら。
網をかければ、文字どおり。
一網打尽ディス。
おじさんと協力して、網をかけます。
ぼくはインテリだからね。
とてもとても。
ひとりで網なんて、かけられない。
網のあつかいでは、漁師にはかないません。
こういうのは専門家に、まかせます。
むずかしい言葉でいうと。
適材適所と、いうやつです。
おじさんはなにやら、不満そげでしたが。
きっと。
むずかしい事を言われすぎて、混乱してしまったのだらう。
ぼくはむしろ、こまっているおじさんをたすけて。
春の陽気のように、気分がよい。
よいことをして、気分がよい。
さあ、朝ゴハンだ。
パンがない。
パンがないから、ケーキを食べる。
パンがないから、ケーキを食べる
パンがないから、ケーキを食べる。
窓のそとでは、なにやら庶民のみなさんが。
インテリゲンチアをたおせとさわいでいる。
しまった。
むずかしい事を言いすぎた。
面積くらいで、やめればよかった。
体積だと、わり算が入るから。
そのへんが文系の、げんかいです。
庶民どもめ。
ぼくはカーテンをしめて。
春のやわらかい陽ざしに、わかれをつげました。