第206回 花の嵐
3月9日
ちかくの水音と、とおくの水音。
ヘヤの内と、外に、ざばざば。
ひびいています。
ちかくはシャワーで、ざばざば。
とおくはアラシで、ざばざば。
すでにざばざばなのに、なにも。
ざばざばのなかに出ていかなくても、よい気がするのディス、が。
そういえばシャワーも、きのうのうちにあびたような気もするのディス、が。
ざばざばばかりで、アンニュイで、ボンニュイ。
いや、寝てはだめです。
おきますよ?
おはようございます、おはやいですね?
アンニュイなことばかりかんがえていては、ボンニュイしてしまう。
なにか、たのしいことを。
そうだ。
きょうは、おんがくはやめて。
ざばざばな音をたのしむ日にしよう。
そうしよう。
雨の日は、三角あたまの、宇宙人。
一句できたわい、ヒッヒッヒ!
一句できたので、若干ゴキゲンになります。
三角あたまの宇宙人を着たぼくの、ちかくととおくで。
ばしばし、ばしばし。
水のぶつかる音。
宇宙人の内と、外に、ばしばし。
ひびいています。
ちかくは、ぼくにあたる音。
とおくは、じぬんにあたる音。
風にふかれて水の膜、ひらがる、ザーッ。
川のちかくでは、排水、どぼどぼどぼ。
いろんな音がするのはよいが。
そんなに、どぼどぼどぼしていては。
地球がうまってしまうのでは、ないか。
宇宙人、ちょっとしんぱいです。
地球人が、しんぱいです。
てかげんをしなさい。
さて。
三角あたまの宇宙人をぬいだぼくは。
ざばざばいわなくなった、しろい空をみあげている。
てかげんをしたようだ。
地球人的には、地球がうまらなくて、なにより。
ディスが。
宇宙人的には、チョッチ残念。
いろんな音がしなくなって、さびしい気がします。
さびしいから。
かえりは、おんがくをきいてかえります。
アンニュイに、グッバイ。