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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
ヒロスエの章
204/3032

第195回 社会の窓からコンニチワ

2月26日


つよい風にむかって、全速力。

速度をおとさず、すすみます。

あまりにはやく、すすんだもので。

意識はからだを、おきざりにして。

前にボヨンと、とびだしています。

へい、意識バーリア。

オーゥ。

意識バリアが風をふせいでくれるので。

よりスピードが乗る、全速力。

さらにはやく、なりますもので。

意識はからだを、またおきざりにして。

もひとつでました、バボン。

ワーォ、意識バーリア。

ファンタスティック。


意識バリアが2まいになって。

ますますはやく、全速力。

意識がからだを、意識バーリア、ワンダフル。

意識がからだを、意識バーリア 、ドメスティック。

ぼくのからだは、4まいの意識でまもられています。


1まいめの意識、もっと速く、より速く。

2まいめの意識、風がつよいもので。

3まいめの意識、グレイト、ワーォ。

4まいめの意識、だめだ、腸がとびだしている、もうおしまいだぁ。


赤いので。

ようやく、とまれました。

フハー、フハー。

すって、はいて。

呼吸を、ととのえます。

からだにもどる意識、いち、にい、さん、よん。

スピードはもう、でていないし。

かぜも、おさまりました。

グレイト、ワーォ。

とびだしているのは腸ではなく、カバンのヒモです。

安心してください。

そしてチャックが、全開だ。


意識がこうもかんたんに、とびだすワケです。

とびでたのが腸でなくて、よかった。

ほかのものでなくて、本当に、よかった。

カバンのヒモ、ですからね。

安心してください。

あやうく。

社会的に、しぬところであった。

ぼくは、うつむき。

つよい風にむかい、どこまでも、はしりつづけます。

反抗することこそが、若さの特権です。


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