第192回 青いのは青虫、赤いのは信号無視。
2月23日
ぬれた路面は、かがやくかがみ。
いろんなものをうつします。
あぶくがしろく、ぼこぼこ。
わいているように、みえますが。
光のかげんでそう、みえますが。
ちかづいてみると、あれは影。
かに座ではありません。
ぬれた路面は、かがやくかがみ。
青や、赤や、キイロ。
いろんな光が、うつっています。
視覚でものをみる生き物は。
ものを光で、とらえます。
青や、赤や、キイロ。
いろんなものが、かがみのなかに。
光になって、とらわれている。
おじさん。
おじさんも、光ですか。
納得がいきませんが。
かがみのなかにいる以上、おじさんだって光です。
認めましょう。
かがみのなかのおじさんは、赤なのにどんどん、行ってしまう。
赤は、とまれですよ。
さては、おじさん。
わるいおじさんだな。
つかまえます。
ついせきします。
おじさんは赤なのに、どんどん、先にいってしまう。
かなり、わるいおじさんだ。
かなり、ついせきします。
でも、太い通りはシャケがたくさんながれているから。
わるいおじさんでも、とまらざるをえない。
おじさんはかなしそうに、シャケをみています。
そんな顔したって、シャケにはかないません。
よいですか、おじさん。
そうそう、わるいことばかりはしておれないのディス。
よのなかには、シャケがいるのディス。
わかりましたか。
イクラは 、赤。
赤は、とまれですよ。
おじさんがわかってくれたので、イクラはおじさんにまかせて。
ぼくは先をいそぎます。
イクラだからって。
そうそう、とまってばかりはおられないのディス。
いそがしいのディス。