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第181回 三ヶ月・謳歌す
2月12日
川のむこうに、三ヶ月、お月さん。
きょうも闇夜にわらってます。
なんだかもう、ずっと。
三ヶ月さんな、きがするのは。
お休み、だからでしょうか。
地球がとまって、いるのでしょうか。
お月さんと、ニューヨークシティに、はさまれてたら。
ステキです。
恋におちます。
だが、いかんせん。
カナダのケベック住まいでは。
「月がキレイですね」が、「アイラブユー」に。
かわるようなロマンツックも、うまれようもなく。
うまれようもないまま、地球はとまって。
自転車をこぐ川沿いの道、見下ろす黒、凍てつく川面。
川をわたれば、ビバ東京。
そらは灰色、やがての水色。
東京のそらは、青がうすい。
東京には、そらがない。
白く残月、ほほえむ三ヶ月、お月さま。
ま、いまはそこで、みていてください。
いつかこの自転車がロケットになり。
うすい青を、つきぬけて。
あなたのもとに、たどりつきます。
あなたの笑顔、うばいにいきます。
月面の街。
ロマンツック花咲く、大都会。
そこに降りたつ、ポンコツ自転車。
時は、動き出す。
地球はふたたび、まわりだす。
そしてぼくは、きみに言うのだ。
「月が、綺麗ですね。」