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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
葉月の章
16/3021

虫すだく

8月31日


夜の間ふっていた雨があがると、涼しい風が吹いて。

ミンミン・ジーワジワと鳴いていたのがリチリチリチリチと鳴くやつにかわっていて、ああ、終わったんだなあ、と思いました。

ミンミン・ジーワジワのやつらはみんな、死刑になってしまったのかな。

今日で、おしまいだからね。あとは、見つけ次第警告なしで射殺されるのだろう。

おそろしいことだ。

昨日の晩は洗濯がしたいのに雨が降って、大分悔しい思いをしたけれど。

そのおかげでリチリチリチリチが始まった朝に洗いたてのシャツで出かけられるから、これは悪くない気分。


みなさん、今日でおしまいですよ。

もう、暑いって言ったらダメですからね。死刑です。

スイカもダメだな、こっそり2つだけ積もうとしても見逃さないぞ。

コーヒーは?コーヒーは許してください。

まだホットは早いです、ホットって言ったら死刑ですからね。

自販機を死刑にしてやります。


コンビニも、今日からは新しいのになったようで。

みんなコーヒーを買いにいくけど、ぼくはいかない。

どうせわなに決まっている、もう、だまされないぞ。

ほら。コンビニの前ではテントを張っていて、ふうせんをくばっています。

ふうせんなんて、許さない。

これは間違いなく死刑だ。

受け取った人も死刑。

ぼくは、みんなを死刑にしてやったので、しばらくは静かになりそうです。

リチリチリチリチがよく聴こえますね。


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