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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
新巻鮭の章
158/3032

第150回 愛しさと寂しさと気恥ずかしさと

1月12日


カミが、たりないです。

用がすまないので、カミを足します。

カミを足したので、用がすませる。

用がすんだので、でかけます。

でかけたくないけど、でかけます。

デンチが、たりないです。

デンチが、たりないので。

音楽は、なしにします。

きょうは足りない日なのでしょう、か。


音楽のない町は、凛としずかに、こおっていて。

さびしいので。

歌いますか。

いやですよ、はづけしい。

アイドルじゃあるまいし、人前でなんて歌えません。

ぼくが歌わないので、音楽のない町には。

ぼくのうごく、音だけが。

ぎーぃ、バタン。

ぎーぃ、バタン。

まるで。

ぜんまいのオモチャです。

ときおり、自動車がすべってきて。

自動車は、ジー。

あれは。

デンチのオモチャだな。

あんなものに、デンチをつかうから。

ぼくのデンチが、たりなくなるんじゃあないのかい。

ぜんまいに、しなさい。

エコだよ、それは。

しかし、自動車ばかりだな。

人間がいません。

滅びてしまったのでしょうか。


向こうから、ようやく人間がきましたよ。

滅びていなかった。

少々、残念です。

向こうからきた人は、歌っていますが。

アイドルには、みえませんが。

やっぱり、さびしいんだな。

人間は音楽がないと、さびしいのです。

さびしさは時に、はづけしさを凌駕します。


空気を読みたまえ。

ぼくはそいつに、悲鳴をあげさせてやったよ。


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