天下3分の刑
8月30日
3分前の世界に起きて。
起きました。
ぼくは朝がつよいから、朝は血圧は低くてボンワリするけど、目覚めはいい。
今日も目覚ましに勝った。
ふたりもいるのに、毎日ふたりしてぼくに負けるだなんて。
ひょっとして、目覚ましの世界を志していたら、ぼくは今ごろその道の権威になっていたのではあるまいか。
あいつら、いつもぼくより先に寝てぼくより後に起きるんだ。
関白なんだろうか。
ぼくは飯はうまくつくれるぞ。
今日は、起きました。
いつもは悔しいし、眠いので。
目覚ましがおきるまで寝ているのですが、悔しいから今日は起きます。
3分前の世界でも部屋のなかはあまりかわりはなく。
強いて言えばぼくがボクサーパンツをはいているくらいだが。
外はどうだろう。燃えたり、滅びたり、していないだろうか。
それならおもしろいけど言う程には気にしていないので、風呂に入ります。
うーん、なんでボクサーパンツなんだろう。
戦うんだろうか。
3分前の世界では、いつものようにねこやら犬やら、たぬきはいなくて。
空もなんだか真っ黒だし、ぼくもボクサーパンツのままでいい気もしたけれど、戦わされてはかなわないのでパーカーを着ました。
これなら最悪でも執事と間違われるくらいだろう。
リスクマネジメントというやつだ。
お上手よ、パーカー。
外は別に、燃えたり、滅びたりはしていなくて。
少々残念だが、かわりにババアがスマホをいじりながら自転車に乗っています。
ババアはスマホがめつらしいからしかたないけど、あぶないな。
他にもみんな後ろを向いて歩いていたり、不燃物を集積していたり。
3分前の世界はなかなか危ないところのようだね。
戦わされてはかなわないので、ぼくはコンビニで3分過ぎるのを待つことにします。
コンビニに入ると、いらっしゃいませこんにちはとか言われると思ったのに、穏便にお願いします。
しまったこれはわなだ、コンビニエンスストアーかと思ったら、これは、穏便にエンスストアーじゃないか。
穏便にお願いしますと言う店員も店員ではなくて、ジェイムズだ。
だましたな。
腹を立てたぼくはパーカーをぬいで、ボクサーパンツでジェイムズの前に立ってやると、ジェイムズはあわてて穏便にお願いします。
このやろうまだ言うか。
こうしてやる、とウイーピングでかわしてみせたらジェイムズは好きなだけ持っていって、よいと言って。
レジを開けてくれたので、別によいのだけど遠慮なく14万7,000円をもらっていきました。
穏便にを出ると空はいつもと同じピンクになっていて。
どうやら、3分が過ぎていつもの時間になったようだね。
倒すのに1Rかかってしまったか。
ぼくも、まだ甘い。
とりあえず、ぼくは服を着ました。




