第140回 星の海、ねこ座へと向かう準備
1月2日
闇のなかから、ミャンミャンと。
すがたのみえない、ネコさんの声。
きこえます。
最近、よくきこえるんです。
どこですか。
そこですか。
ここですか。
うむ、みえません。
ぼくはネコさんにあいたいのに。
みえなくては、しかたない。
残念なことです。
闇のなかから、ミャンミャン。
ぼくも、ミャンミャン。
テレパシーで、みえないネコさんにかたりかけます。
やあ、あけまして。
あけましいですね。
かまぼこは、たべましたか。
ぼくは、ぼくはね。
ロケットを、つくっているんだ。
ネコさんは、ミャンミャン言うだけです。
みえないから、しかたない。
あかるくなってから、よくみると。
机のうえのロケットが、ロボットになって、いるじゃないか。
ちがうよ。
ぼくはネコさんに、テレパシーでミャンミャン思います。
かまぼこを、たべないからだ。
ネコさんからミャンミャン、テレパシーが伝わりました。
むう、面目ない。
このところ、ロケットに夢中で。
かまぼこ、さぼっておりました。
ぼくはロボットに、かまぼこ。
買いにいくよう、命令します。
ちくわぶ。
ちがうよ。
ロボットをたたいて、なおします。
いそがしくても、横着はいけませんね。
ロボットが帰ってきたら、かまぼこです。
もうすぐ、君にあえる気がします。