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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
クライストマンスの章
143/3033

第137回 死忘(しわす)

12月30日


ぼくのまえを、大きめのおじさんが。

自転車にのって、はしっています。

おじさんは大きめなうえに、ダウンジャケッツなぞ、着ておるので。

まるで、山の如し。

小錦です。

前が、みえない。

ぼくはべつに、いそぐわけでは、ないのだけど。

それに、自転車というのは、前にだれかいて、風をふせいでくれたほうが。

速くはしれるのでは、なかったかな。

しってます。

インターネットでみました、あきら。

総合的にかんがえて。

小錦のあとを大人しく、ついていくのが正解。

しかし、あえて小錦を抜きます。

今日はひとりで、風を感じてはしりたい。

そんな気分の日もあるのディエス。

あと、視界が小錦にふさがれているのは、精神によくない。


ぼくはギィコとスピードをあげて、ガッチャン、ガッチャン、を、ガチャンガチャンに。

小錦を、追い抜きます。

すれ違う小錦の、ムッとした顔。

スーい、スーいとこいでいた小錦が、スイスイにスピードをあげやがります。

追いつくつもりか。

小錦のくせに、軽快にこいでやがるのが、ムカつきます。

小錦の追撃を耳でききながら、ぼくは脚を緩めずに、ガチャンガチャン。

小錦につかまって、たたかわされてはかなわない。

ぼくは武蔵坊じゃないんだぞ。


小錦が穴におちたので、ぼくはガッチャン、ガッチャン。

年末進行から通常進行に、戻ります。

前には、ひとり歩くおじさん。

やはりみんな今日は、ひとりで風を感じたい気分なのディスかね。

ぼくはひとりで風を感じてはしりたいので、おじさんを

追い抜きます。

おや、今のおじさんは。

梅崎さんでは、なかったかな。

ウメリーは、はたらきものだから。

いつも年末まで休まずに、はたらいていて。

からだをこわしたと、きいていたけど。

ぼくは後ろを振り返ります。

後ろではウメリーが、一生懸命、穴をうめていて。

はたらきものです。

ほら、やっぱり梅崎さんだ。


ウメリーが、穴をうめリー。

相変わらずの、はたらきものです。

ウメリーは穴にもぐると、中からふたをしめて、パンパン。

ぼくも両手をあわせて、パンパン。

梅崎さん、やすらかにねむってください。

小錦といっしょでは、少々せまいとは、おもいますが。

しりません。

年末で、いそがしいからって。

しんだ人が平気ででてくるんじゃあない、たわけが。


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