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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
クライストマンスの章
122/3028

第116回 パンのシールをあつめてもらったやつ。

12月9日


さあ、朝ですよ。

コーヒーを、のまないと。

ぼくは、血圧がひくいから。

朝はコーヒーをのまないと、ボンワリしてしまう。

いつもはいそがしいから、缶コーヒーですが。

きょうは時間があるので、インスタントコーヒーです。

世の中にはコーヒーメーカーとかいう、すばらしい機械があるさうですが。

そんなブルジョワジーなものは、しりません。

コーヒーは、粉でできているんです。

資産家は、敵です。

きょうは時間があるので、インスタントコーヒーですが。

たまのぜいたくなので、ゆるしてつかぁさい。


インスタントコーヒーのためには、お湯がいりますが。

ぼくはうっかり、お湯をわかすのをわすれて。

お風呂をわかしてしまいました。

お湯にはいりながら、ぼくは。

お湯をわかしていないことを、思いだします。

ファッデム。

やっぱりコーヒーをのまないと、ボンワリしてしまう。

なれないことは、するものじゃないな。

しかたなくぼくは、お湯にはいるのを中断し、お湯をわかしにいきます。

宇宙の空気はぜんらのぼくには冷たく、背徳的で。

どきどきしながらぼくは、ぜんらでお湯をわかします。

お湯がわくまでのあいだ、ぜんらでどうしたものだろう。

踊るべきだろうか。

叫ぶべきだろうか。

こんな時、男はどんな顔をしていればいいんだい。

父さんは、なにも言ってくれない。


父さんがなにも言ってくれないので、ぼくはお湯にはいってきました。

さあ、いよいよコーヒーですよ。

服は着たので、安心してください。

うむ。

インスタントコーヒーは、さすがちがう。

この、マグカップの厚み。

マグカップの重さ。

なめらかな、手触り。

リラックマ。

すべてが調和した、すばらしいコーヒーです。

父さん、のんでるかい。

ぼくは宇宙の父さんに、乾杯を捧げました。







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