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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
クライストマンスの章
116/3028

第110回 歯医者の特権

12月3日


「このわたりに、ハグキをさわる変態が、でるらしいよ。」

イタチさんが、うわさをしています。

「やあねぇ。」

ウサギさんが、うわさをしています。

ハグキをさわるなんて、しつれいな変態だな。

人の口のなかをさわっていいのは、歯医者だけだぞ。

ほうりつにも、書いてある。

正当な理由なく他者の口腔内に触れたる者、変態と定む。

三十日以上の拘束或いは十五万円以下の罰金刑に処す。

重罪じゃないか。

そんなわるい事をする変態がでるなんて、こわいな。

こわいので、口をひらかないように気をつけて、出かけます。


口をひらかないぼくは、息をしていないものだから。

みんなが、しんでいるのではないかと心配します。

歯医者にいけとか言う。

なんだ、ふだんはやさしくしてくれないくせに。

しんでからやさしくしたって、おそいんだ。

だいたい、歯医者はしんでるのは、なおせないぞ。

あと、しんでません。

口をひらかないぼくは、不満をことばにしてつたえられないものだから。

からだのなかにどんどん、ストレスと放射能がたまっていって、しまいます。

はやく、はきださないと。

口をひらかないと、はきだせない。

ちくしょう。


ちょうどよく、歯医者がありました。

よかった。

歯医者なら、口をひらいてもだいじょうぶですよ、ね。

ぼくは大きく口をひらきます。

歯医者が、ハグキをさわってきました。

変態めっ。


歯医者が変態でたいほされてしまったので、みんなはムシバがなおせません。

ハグキをさわりあって、ムシバがないか、確認するのがはやりました。

イヤだな、ぼくはさわられたくないぞ。

変態がかえってくるまでは、マスクをして出かけよう。

いってきます。




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