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トゼンサウ  作者: ナルサワパン
葉月の章
11/3019

たぬきをしまう簡単なお仕事です。

8月26日


みんなが、たぬきをだしてしまうもので。

仕方がない。ぼくはたぬきをしまう仕事に就きました。

たぬきを出したままには、できないからね。他にすることもないし。

あっちの星では焼いたり削ったり、忙しくてたいへんだな。

こっちは退屈で、たぬきを出すくらいしか娯楽がないよ。

たぬきも押されたからって、いちいちでてくるんじゃあない。暇なんだろうか。

ぼくも最初は、目的意識を持ってたぬきをしまっていたのだけれど。

飽きました。

もはや惰性でたぬきをしまい続けます。

うーん、なにかよいアイディアはないだろうか。

そうだ。

たぬきではなく、お兄さんにしよう。

みんながぼくのお兄さんを出してしまうもので。

ぼくはお兄さんをしまう仕事に就きました。

お兄さんは、たぬきとちがって骨があるから、しまうのがたいへんだな。

はやくひっこめ、このお兄さんめ。


お兄さんは、しまわれるたびにばきりとか、ぽきりとかいって。

根性なしだな。

そんなことだからいい年こいて生き別れの弟にこんなところに閉じ込められているんだ。

何度かしまわれたお兄さんはすっかり静かになってしまって。

もうぐにゃぐにゃの、たぬきと同じだな。


お兄さんがたぬきになってしまったから、明日からはぼくが幕府の将軍です。


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