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十一ページ目:ぶっ放せ、れーざー☆びーむ!

アギトは立ち上がるとサリナを物色するかのような視線で目を細めながら、じっくりと視姦する。ときには品定めするかのような、ときには舐め回すかのような視線で。自分に自信があるのかわからないが、ハッキリ言ってサリナは大喜び、否、悦んでいた。


(何、この胸のときめきは.....!?)


トゥンク、トゥンク、トゥンクと高まる鼓動と身の毛も立つ悪寒すらも快感になり一人身を捩らせる。ゾクゾクゾク、と今まで感じてきた快感の何十倍も興奮するような、今すぐにでも服を脱いでしまいたい勢いで股間を抑えながら期待の眼差しをアギトに向ける。

アギトは落ちたな、とか心の中で思いつつ一人勝手にほくそ笑んでいる。


「フフフ、可愛い娘だ。もうすぐ俺が直々に気持ち良くしてやるから待ってな」


「焦らしプレイですか!?」


「いや、違うよ」


もう既に絶頂域にまで突入してしまっているサリナは興奮を抑えきれずにいる。このまま感情が爆発してしまい、れーざー☆びーむの砲台を壊せそうな勢いである。

アギトもアギトで鏡の中の自分とサリナを交互に物色しながらゆっくりと歩き始める。余所見しながら歩いては危ないぞ。


−−−れーざー☆びーむ発射まで残り八時間!

サリナ・コバルト爆発まで推定、残り十一分!


「−−−ったく、先走りやがって。さすがはセフィの炎を受けて無事なだけあるな」


「−−−この魔神様を連れてきておいて忘れるなんていい度胸してんじゃねぇかよ、女ァ!」


そこに現れた二人の兵。リビアスター空賊団船長リビアと自称魔神様の鬼族ギド。異色の組み合わせがサリナの元へと辿り着いたのだった。


「あんたがアギトか、こんなところにプライベート空間なんか作っちまって何を企んでるんだ?」


「リビアスター空賊団の船長リビアか。それはどういう意味かな?」


「シオン王が呼んでるのにも関わらず動きを見せない上に、こんなところで寛いでていいのかって聞いてんだ」


「シオン?あぁ、あの少年が俺を呼んでいたのか」


フフフ、と軽い調子の笑みを浮かべながらアギトは携帯電話を取り出しその場で粉砕する。


「−−−俺は前々から王という立場が気に入らなかった、ハーレム作り放題じゃねーかよ!」


「し、知らねーよ」


−−−非常にしょーもない。


「ガルシア十三人衆という立場をもってしても、この国において国王の次に権力あるこの地位についてもなお、完成することのなかった、俺の桃源郷!それは俺よりも上の立場のやつがいるからだ、だったらこの機会に王座を奪おうと思った、そう、この混乱に乗じて王が行方不明になってもおかしくないからな!」


アギトは高らかに宣言する。この流れはやられてしまう三下悪役の上等文句、いわばお約束というやつである。だからこそアギトは自らの目的、野望を恥ずかしい台詞と共に大きく宣言することによって引き立て役としての仕事を果たすのである。


「−−−俺の能力、神に選ばれし力である夢幻乖離を使えばこんなことだってできる」


そして聞いてもいないのに勝手に能力の解説を始めるのも三下のすることである。アギトは自分が勝手に格好いいと思っているポーズを取り、れーざー☆びーむのコアに手をかざす。

すると、エネルギーの充填が早まり今にも発射してしまいそうな状態となった。


「なっ!?」


「起動し始めた!?」


「あ、あれには一体どれほどの快楽が!?」


「フフフ、こいつを止めたければ俺を倒すことだ」


そして、無駄な戦いではないことを提示するあたりちゃっかりした三下悪役っぽいアギト。そう、このれーざー☆びーむが発射してしまえばサリナ達はおろか、ビヒュリア王国が跡形もなく消し飛んでしまう。


「チッ、状況がわかんねェ!」


一人、黒竜に意識を奪われてさっき目を覚まして急ぎやってきたギドはこの状況を誰よりも把握できていなかった。だが、そんな奴に構っていては話が一向に進まない、わざわざ説明している時間もないため察してもらいたい。


「やるしか、ないのか!」


「やるしかないの?つーか、アンタ誰よ?」


リビアが太刀を抜く、ギドがゴキゴキゴキ、と筋力を増強させて一回り大きく体を魅せる。その分身体能力も上がっていることだろうと思いたいものだ。少しは活躍の場を見せてほしい。


「やれやれ、男とダンスをする趣味はないんだけどネ」


−−−れーざー☆びーむ発射まで残り五分!




一方、シオンの元には続々とガルシア十三人衆の面々が集まり始めていた。ゼストは今すぐにでもサリナの元へと行きたいのを我慢してここに残っている。彼もガルシア十三人衆の一人である、一人で勝手な行動を取るわけにはいかない。


「−−−ふぅ」


「どうだった、ルーヴ・ルーパー」


「ダメっすわ、もうこの大陸にターザンはいないかもしれねぇ」


ヒーローを志す偽善者、ルーヴ・ルーパーはビヒュリア王国の国民とガルシア王国の国民を自らの仮装空間に移動させた後、シオンの招集に応えた。

腰と背にはイシスから与えられた今回の仕事の報酬であり、一度は粉砕したが魔神の能力でこの世に再生した業物マップタツーとパイオツァーを携えている。


「だが、そうなると奴は一体どこへ行ったんだ?」


ルーヴ・ルーパーに連れられてきたホクエは疑問を抱く。ちなみに同じ戦場を共にしていたドランシャトーとギルディアの決着は未だについておらず、決着が着き次第こちらに合流するつもりらしい。


「知らねぇ、あいつの考えてることと行動範囲は未知数だ」


「そうね、金に左右される男でもないし」


「中々魅力的な男なんだがな」


「野生人だしね」


「やばんじんやばんじん」


「へんたいへんたい」


「ま、私とは永遠に分かり合えない人種ってことサ☆」


ルーヴ・ルーパー、メルククゥ、リグロ、セラフィール、フー、ムー、カグヤと評価はどれも酷いものである。

ゼストとホクエは大きなため息を吐く、ジャックは未だに目の覚めないヤスヒトを背負っている。


「おいゼスト、お前がさっき斬った僕の仲間たちの安否も確認したいんだが」


「ルーヴ・ルーパーが行けば大丈夫だろ、それよりも今はおばばの行方も気になる」


「また俺かよ!でもいいぜ、奉仕活動はヒーローのやることだからな!」


そう言うなりサムズアップしてからルーヴ・ルーパーはその場から消える。そもそも彼がフローラとオルビアの顔を知っているか不明、というか知らないため絶対見つからないだろう。一緒に行かなかったことにジャックは激しく後悔した。


「ホクエは途中まで一緒だったんだよね?」


「えぇ、ですが俺たちが動いている間に気がつけばどこかへ行ってしまっていて」


「この非常事態に、どこに行ったんだおばば様は?」




−−−バキバキバキバキ、と調停の間と呼ばれる空間に突如亀裂が走る。


「−−−何者だ」


男性特有の低いアルトボイスの主、男の娘の信号機は亀裂を睨みつける。向かい合った場所で座って人類の希望カップラーメンを啜っているのは同じく男の娘である宇宙人。

二人は調停者、世界を支え導き創る存在であるいわば神に等しい存在になる。そんな二人の住まう空間に外部からの亀裂が走るなんて、同等の力を持つか余程の特殊な方法でしかできないことだ、亀裂の向こうからは一人の老婆がゆっくりと歩いてきた。

信号機は腕を組んだまま更に目を細める。


「−−−魔神、か」


「いかにも」


魔神イシス。

思わぬ下界からの干渉者にも動じないところ調停者達は肝が座っている、否いざとなればどうとでもできるという感覚である。


「なるほどのう、貴方方が調停者と呼ばれてる方々か」


「そうだ、僕たちに何か用か?」


あくまでも余裕は崩さない。蚊帳の外となってしまった宇宙人はもちろん、直接話してる信号機は見下すかのような、まるで害虫でも見るかのような冷ややかな視線でイシスを見る。


「大したことではない。少々お力を貸してもらいたくての」


「何だと?」


「一度、こちらの世界からの干渉があった。その道標を辿って来たんじゃが、我々の世界で起こっとる混乱はそちらさんの不手際にあると考えておるわけよ」


「.....お前、始末書追加な」


「サーセン、先輩」


逃げる宇宙人の首を信号機が片手で掴み取る。首の骨にヒビが入る音がするが大したことではないだろう。


「わかった、こちらの馬鹿の不手際は僕が何とかしましょう。それで具体的には何をするんだ?」


イシスの要求は一つ。実にシンプルなものであった。




「せい!」


「お、おぉ!」


「フッ」


リビアの太刀が横薙ぎに、ギドの沸騰した拳がストレートに。それぞれがアギトに向かって放たれるが、無意味。

目の前に現れた見えないナニカによって遮られ、アギトが手を前にかざせば業火のように揺らめく斬撃が勢いよく放たれる。

夢幻乖離、尿意促進と引き換えに想い描いた事象を具現化するというとんでもチート能力。それは出来事でも物体でもアギトがほぼ想い描けるものであれば具現化可能な強力な能力である。

たとえ、実現不可能な事象や不可思議現象であってもアギトの頭の中で想い描けることができるならば具現化することができる。


「クソ、近づくこともできねぇ!」


「何なんだ、あいつの能力は!?」


リビアとギドが悪態を吐く。時間がないということから焦りが露わになってくる。対するアギトは余裕のよっちゃんである。めっちゃムカつく。


「今度はこちらから行くぞ」


アギトが両手を翳す。

−−−右腕から放たれるは重量を持った物理的な落雷。

−−−左腕から放たれるは太陽熱の温度を持った雪のように軽い散弾。


それぞれが本来考えられる常識を覆した強力な一撃。しかも広範囲による攻撃のため避けるのが困難である。


「がっ、ぎ!?」


「な、んだこれ!?」


「−−−フィニッシュにしようか」


アギトを中心に大気が揺らぎ、周囲に亀裂が走る。超高温と超低温、この二つが同じ密室空間でぶつかり合い強力な拒絶反応による震撃と高周波によって空間が崩壊する。

リビアは咄嗟にガード、ギドは直撃をモロに喰らって吹き飛ばされる。

瓦礫が崩れ、満天の星空が頭上を照らす。


「.....あ」


そこでアギトは気がついた。相手を倒すことだけを考えていたため周囲のことを全く考えていなかった。

サリナはもちろん、れーざー☆びーむの砲台を木っ端微塵に破壊してしまったことを。たしかにれーざー☆びーむの砲台自体は頑丈な作りをしているが、あくまでもそれは主砲が発射される一瞬に耐え抜くためだけの構造であってさっきのアギトのように長時間の衝撃には耐えきることができなかったのだ。超高温と超低温だったのも問題だったのだろう。


−−−しかも。


「うわー、また服が破けちゃった」


「.....嘘、だろ」


服以外は無傷のサリナが目の前に立っていた。これ以上の驚きがあるだろうか、あのれーざー☆びーむの砲台が耐え切れなかった一撃をたった一人の少女が無傷で耐えたのだから。


「−−−間一髪、だったな」


「シオン!皆!」


砲台上にいたシオン達はサムズアップしているルーヴ・ルーパーによって救出されていた。


「よ、待たせたな」


「漢の決着!しっかりとケジメつけてきたぜ!」


「ギルディアさん!」


「やれやれ、若い者は元気よの」


「うほ、うほほ」


「おばば様に、ターザン!」


三方向から現れたガルシア十三人衆達はアギトとサリナを囲うように集まる。


「アギト、なんで君はこんなところに?」


「シオン、様」


「理由があるなら言って、僕も、悪かったなら謝るから」


「あんたが王座に立ってるのが気に入らなかっただけだ!モテモテになりやがって!」


「知るか!」


−−−瞬間、アギトはターザンに右頬を殴られた。身長3メートルはあろう全身毛深い大男こそがターザンだった。


「こ、の!野蛮人が!」


「うほほ、ほほほ、ほっほうう!」


「うるせぇ!テメェがなんと言っても俺はモテたいんだよ!」


「うほーう!」


「いらねーよ!何で俺に突っかかってくるんだ、お前はいつもいつも!」


「うほ、ううほほほほ、ほっうほう」


「.....ケッ、そういうところが苦手なんだよ。軽々しく言いやがって」


(いや、何で会話が成立してるんだよ!)


その場にいた全員、及び作者と読者の心がシンクロした瞬間であった。


「シオン、大丈夫?」


「姉ちゃん、うん」


サリナ(半裸)とシオンは二人で熱い抱擁を交わした。


「つーか、おばばは何でターザンの場所わかったんだよ?」


「ほっほっほっ、ちょいと古知恵での」


ゼストはイシスに質問をするがスルーされてしまう。答えは上にスクロールしてね。


「まぁ、何にしてもこれでれーざー☆びーむは止まったんだ。ガルシア十三人衆は集まったけどあんま意味なかったな」


「そんなことないさ、集まった方が漢らしいからな!色々と」


「.....そうかもな」


何か丸め込められた。


−−−ピピッ、と音がするまでは誰もが終わったと思っていた。そう、無駄にしぶとく残っていたのだ。

れーざー☆びーむのコアが、発射充填するためのエネルギーそのものが!


「この音、まさか!?」


『ピピ、バクハツマデ、アト、ゴジユビョウ』


「なっ、んだと!?」


−−−まだ、終わっていなかった。


「おいアギト!お前なら何とか−−−」


「す、すまない!能力の使いすぎで、膀胱が限界まで.....!」


「うーほほ!うほっほう!」


「肝心なところで役に立たねーな!」


だが、嘆いている暇はない!皆が混乱する中、一人シオンは冷静に、誰よりも早く状況を読む。

王としての器が今になって再覚醒したのである。


「−−−ガルシア十三人衆!今すぐコアを止めるために全員の手をかざすんだ!」


「シオン様、そうか!わかりました!」


「そうか、漢としたことが、肝心なことを!」


そう、ガルシア十三人衆の集結。元々の目的はれーざー☆びーむ発射を止めるための緊急停止システムを起動させること。

集まったのは無意味ではなかった、ゼストとドランシャトーの号令で全員がれーざー☆びーむのコアに手を当てる。ここに当てればいいのか否かは不明だが、やれることはやるしかない。


「うぐ、そろそろ限界!」


「我慢しな優男!どうせお前が発射早めたんだろ!」


「争ってる場合ではないぞゼスト!アギトを責めるなら後にしろ、俺もそうする」


「言うじゃんかよホクエ!漢らしいぜ!」


「ホクエちゃんは女の子だよ、この木偶の坊が☆」


「魅力的な漢だ、許してやれカグヤ」


「ばーちゃんばーちゃん」


「これでいいのこれでいいの?」


「そうさね、これでよかよか。儂も魔力が回復せんからこうするしか手はないね」


「俺ももうストックないからな!」


「いいじゃん、あたしらがこうやって力を合わせるなんて中々ないし!」


「そうねセフィ、金にならないからね」


「うほ、ほう!」


アギトが、ゼストが、ホクエにドランシャトー、カグヤとリグロが、フーにムーにイシスと、ルーヴ・ルーパー、セラフィールとメルククゥ、そしてターザンが。

ガルシア王国十三人の曲者たちが円となり一つの光に手をかざす。


「皆、ありがとう!」


シオンが涙を流した。感謝しかない、シオンが主だから聞いたんじゃない。一人一人がしっかりとした意思を持って止めようと団結したのだ。

シオンにとってこれ以上の喜びはなかった。


「止まれぇぇぇぇぇぇ!!」


−−−エネルギーの充填は終わった。

緊急停止システムが作動したのだ。だが、これで終わりではなかった。


『サイシューボーエープログラム起動、ヘンケイシマス!』


「しつけぇよ、開発者出てこい!」


ズドォン!とドランシャトーが巨大化させた右腕を振るう。


「ったく、せっかくハッピーエンドで終わらせたいのによ!フルコンボで決めてやる!!」


ドランシャトーに続きギルディアがフルコンボを叩き込む!ミスのない華麗な連撃である。

れーざー☆びーむのコアはそれでも壊れる様子はなく、着々とサイシューボーエープログラム状態にガシャンガシャンと機械音を立て蒸気を排出しながら徐々に大きな人型へと変形していっている。


「ったく、やっと終わって告白する準備までしてたのによ!台無しにしやがってェ!」


「今回ばかりは君に同意させてもらうよ!」


ゼストの影と鎌の斬撃とジャックの聖属性の一撃が一つになりカオス属性となり、暴発を起こす。


「俺も便乗だ、こいつらの実験!」


「俺も微力ながら、協力するぞ!」


「いたみいたみ」


「かいらくかいらく」


ルーヴ・ルーパーが業物マップタツーの一撃とパイオツァーの竜の鱗をも粉砕する重量感ある打斬撃による二撃が叩き込まれ、ホクエの鎌鼬辻斬りのごとく連続斬撃が全弾急所に命中し、フーとムーの機械に果たして効果のあるかよくわからない能力がぶつけられる。


「もっかいやるか、セフィ」


「そうね、あたし達の愛の力を!心ない無機物に叩き込んでやろう!」


リビアの剣に炎神化したセラフィールが憑依し、太陽の如く超高温の炎の斬撃が叩き込まれる。


−−−だが、これだけの連撃を加えてもなお壊れない。


「あと、一声!くそ、尿意さえなければ!」


うずくまるアギトを支えるターザン。ターザンの能力は能力を無効化するというアンチ能力者であるため機械には無意味である。カグヤとメルククゥもパワー型ではない。ギドはどこかへ吹き飛ばされてしまい、ヤスヒトは気絶、イシスは魔力切れ。


−−−なら、最後はこの人!


「−−−私の、快感の爆発でフィニィィィィィィィィィィィィィシュ!!」


−−−サリナはサイシューボーエープログラム状態のれーざー☆びーむコアにハグし、ドガぁぁぁぁぁぁん!と大爆発を巻き起こす!


「ね、姉ちゃん!?」


「サリナちゃん!?」


誰もが驚愕!しかもしっかり破壊も完了している!空いた口が塞がらない面々。そんな彼らの前の煙が晴れ、Vサインをしている全裸で無傷のサリナが立っていた。


人の気も知らずにニカッと眩しい笑顔を浮かべている。


「やってやったぜ!」


「.....やっぱ、姉ちゃんには敵わないや」


シオンの呆れたような笑みをきっかけに、皆がホッとしたような表情を浮かべたのだった。


−−−そして。


「リビィ、本当に行っちゃうの?」


「あぁ、久しぶりに会えてよかったよセフィ」


「また会いに来てよ」


「お、おうよ」


リビアスター空賊団は仲間達も回収したため早いうちに出発するようだ。リビアとセラフィールは最後まで熱い、ひゅーひゅー。


「俺は皆を外に出さないとな!」


「お疲れ様じゃったの」


「仕事押し付けたのアンタだからな!報酬はありがたいけど!」


ルーヴ・ルーパーはサムズアップしてどこかへ消えてしまった。


何はともあれ、長いようで短いガルシア王国とビヒュリア王国の戦いはこれにて幕は閉じられたのだった。


「はぁ、れーざー☆びーむを生で味わってみたかった」


「姉ちゃん...」

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